2021 Fiscal Year Research-status Report
実行ログ解析による連携可能な情報システム群の発見法と支援ツール開発
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21K11837
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
海谷 治彦 神奈川大学, 理学部, 教授 (30262596)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Process Mining / Conformance Checking / Mutual Contribution |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は実行ログの解析の基盤技術であるプロセスマイニングの調査を行った.調査の基盤は,この分野の定番教科書である 著者 Wil van der Aalst, 表題 Process Mining, 副題 Data Science in Action, 2nd edition, 2016, 出版社 Springer. をもとに,関連研究が多数発表される会議である BPM, BPMのワークショップ, BPMDS PoEM 等の過去10年程度の研究を調査を行った.その結果,alignment を用いた Conformance Checking が,連携可能なシステム群の発見に有用であるという結論に至った. Conformance Checking を手動で行うことは現実的でない.いくつかのツールおよびプラグインを調査した結果,ProMツールの中の,Replay a Log on Petri Net for Conformance Analysis のプラグインが最も適切なツールであると結論づけた.特に,このツールでは,ログ側の整列にかんする不具合と,モデル側の不具合を分けて指標を計算する.この分割が本研究で非常に役立つものと思われた. 調査結果とツールをもとに,連携可能なシステム群の発見を行う手法を開発し,その事例を記述した.この手法を開発する過程において,システム群が共通の目的をもっていなくてもよい場合も模索範囲とすることで,より広義の連携である相互貢献に注目することとなった. この手法と事例を論文にまとめ,26th International Conference on Knowledge-Based and Intelligent Information & Engineering Systems に投稿し,4月末に採録を受け取った.発表は9月に行われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手法自体の提案をでき,その提案結果を国際会議にて公表可能な状態までもっていけたため,概ね順調に研究が進展しているといえる.当初は連携可能か否かを判断する閾値の決定に苦慮していた.しかし,この点はランダムに作成されたログとモデルを利用するという発案によって,技術的に解決することができた.最初の論文をまとめることができたのは,この点が大きい. 懸念事項としては,適用事例の数が少ないことである.現状では,明らかに連携可能な2つの業務に注目しているが,このような業務ペアを探すのが容易ではない.この点は,例えば,Digital Transformation 等の事例報告を参考に,業務ペアを探してゆく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策は3種類存在する. 第1は,現手法の妥当性を確認するための事例を増やすことである.進捗でも述べたが,明らかに連携可能なペアの発見は容易ではない.情報システムに関する適用事例等を参考に事例を増やしてゆきたい.特に Digital Transformation 関係の事例は,直接ではないが,注目すべき業務を探す際の大きなヒントとなる. 第2は,ツールの自動化である.現在は,CPN Tools, ProM, そして一部自作のプログラムを用いて手法を実施している.しかし,これは効率的とはいえない.できれば,これらを統合するツールを考えたい. 第3は,連携の度合いへの注目である.現状では,連携可能か否かの二択で判定している.しかし,一方は他方にどれくらい何を貢献できるかという分析が必要である.Conformance Checking には,個々の処理ステップに対して「コスト」という概念を割り付けて,重要なステップとそうでないステップの差別化を行っている.このコストを用いて連携の度合いを計算することを検討する.
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Causes of Carryover |
コロナウイルスにより,国際研究集会はもちろん国内の研究集会もほとんど開催されなかった.これが事前度使用額が発生した主な原因である. すでに,本研究成果の国際発表の予定が決まっているため,それを含めて,次年度に旅費として使用したい.
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Research Products
(2 results)