2021 Fiscal Year Research-status Report
Realization of network AI processing by hardware assist
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21K11844
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下見 淳一郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40417225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 敬 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 名誉教授 (20238348)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワークAI処理 / 強化学習 / 輻輳制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、エッジでのリアルタイムな推論やエッジ間での学習結果の共有における従来のエッジ・バックエンド間のダイナミックモデルでは実現が困難な課題の解決であり、具体的には、ネットワーク経路上でのAI処理を行う手法を提案し、実証のためにFPGAを用いたAI処理ネットワークテストベッドを研究開発し、実ネットワークを用いた実証実験により本研究の有用性を評価することである。 従来のAI処理手法で生じているこれらの問題が、実は遅延等のネットワーク処理に起因するということに着目し、ネットワーク処理とAI処理を融合した問題解決手法を提案するところに本研究の学術的独自性および創造性がある。 当該年度は手法の提案を実施する計画であり詳細についての検討を行った。具体的には、ネットワーク処理部分をソフトウェアによるシミュレーションで実装したものと深層学習によるAI処理とを組み合わせて提案手法を評価するシミュレーション検証環境を構築し、本研究の提案手法が実際に学習をして課題を推論できることとその手法の妥当性の評価をするための予備実験を実施した。 AI処理の学習の対象とする課題としてはTCPの輻輳制御をとりあげた。シミュレーション検証環境のネットワークシミュレーションとAI処理の組み合わせの基本的機能が動作することが確認でき、AI処理としては強化学習を用いることで提案手法により研究を進めていく方向性を確認することができた。 学習の課題が実験環境自体の性能改善ではあるが、本研究では遅延等のネットワーク処理に起因する部分に着目しているのが特徴ということもあり研究内容の親和性は高いと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度は手法の提案を実施する計画であり詳細についての検討を行った。具体的には、ネットワーク処理部分をソフトウェアによるシミュレーションで実装したものと深層学習によるAI処理とを組み合わせて提案手法を評価するシミュレーション検証環境を構築し、本研究の提案手法が実際に学習をして課題を推論できることとその手法の妥当性の評価をするための予備実験を実施した。 シミュレーション検証環境の基本的機能が動作することが確認でき、AI処理としては強化学習を用いることで提案手法により研究を進めていく方向性を確認することができているが、提案手法を用いることで具体的な性能改善が示せるような実験結果を得ることができていないため、更なる手法の改善が必要な状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度に構築したシミュレーション検証環境のもとで提案手法の改善を行う。AI処理の部分で学習に使用する状態の取得方法や学習結果の反映方法など本研究の提案手法がうまく動作するように最適な構成を探索し、その後に学習済みモデルの配布処理などネットワーク越しに接続されたノード間での処理の検証を行っていく。 シミュレーション検証環境での実験結果で具体的な性能改善が見込めるようになった後に、実ネットワークを用いた検証環境の構築を行い、提案手法の実ネットワーク検証環境での動作および性能改善について検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
当該年度においてはソフトウェアシミュレーションによる提案手法の評価を行ったが、シミュレーション環境については本学が以前より所有しているサーバ設備を利用したため物品の購入を行わなかった。 また、ソフトウェアシミュレーションによる評価が十分に完了していないため、実ネットワーク環境による評価のための環境構築は次年度に行うこととした。
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