2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Cyberoceptive Sense towards Augumenting Human's Ability to Estimate Other's Emotions in Cyber Space
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21K11853
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大越 匡 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 准教授 (00791120)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内受容感覚 / センシング基盤 / モバイルプラットフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
オンラインコミュニケーションにおける他者との思いやりあるコミュニケーションの重要性は注目を増している。オンラインコミュニケーション上での限定され た情報から他者の感情状態をいかに推測できるかという「他者感情の推定力」が重要となっている。 本研究では、自分の感情の認識・制御や他者感情の推定力を高める因子として、人々のサイバー空間での生活における新たな種類の受容感覚は存在するのか、モバイル・ウェアラブルセンシングや機械学習技術に基づいて探索し、またその有効性を明らかにする。
2年度は、課題2. サイバー受容感覚情報基盤の設計、課題3. サイバー受容感覚情報基盤の構築、課題4. サイバー受容感覚同定の実験を進めた。具体的には心拍、キーボードミスタイプ率、アプリケーション利用時間等の複数の指標候補に着目し、キーボードミスタイプ率やアプリケーション利用時間等をユーザのモバイルオペレーティングシステム (Android) 上でリアルタイムに収集する基盤技術の設計および構築を行った。一方ユーザの内受容感覚を測定する指標/手段として心拍カウントに関連する実験に関する既存の知見の調査を行い、それらと組み合わせて総合的な実験手法を考案、実際に実験を30名の被験者を対象に10日間行った。データの解析などは3年目の課題となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、課題1. 「調査と要件定義」、および課題2.「サイバー受容感覚情報基盤の設計」を平行して行っており、また一部の対象指標(アプリケーション利 用状況)については基盤技術の具体的な開発まで進展した。2年度は、計画通り、課題2. 「サイバー受容感覚情報基盤の設計」、課題3.「サイバー受容感覚情報基盤の構築」、課題4. 「サイバー受容感覚同定の実験」を進められた。総合的に本研究は計画通り順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、予定通り課題5. 「サイバー受容感覚と感情推定能力の関係評価」を実施する予定である。現在課題4の実験は30名の被験者による実験を終了し、収集したデータの解析を進めているところであり、結果にもとづき必要に応じて課題2(基盤の設計)、課題3(基盤の構築)や、実験設計のブラッシュアップを行い、さらなる被験者を募って実験を行う予定である。これらの取り組みを総合的に論文誌論文または国際学会論文として執筆・投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額「671,713円」については、年度末3月に実証実験を行うための支出(旅費など)が発生したが、その実施が3月下旬にまで及んだため、3月年度末の会計スケジュールの関係で精算が年度内に間に合わなかった為であり、令和5年度の4月にはこれらの会計処理は完了し支出が完了する予定となっている。
従って総合的には研究費の使用は計画通りに進んでいると言える。
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