2023 Fiscal Year Annual Research Report
情報指向ネットワークによる情報の価値に基づくデータトランスポートシステム
Project/Area Number |
21K11860
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
松園 和久 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所, 主任研究員 (90751074)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ICN / CCN / NDN / QKDN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、本格的なIoT時代到来を見据え、急増する通信量に対処可能なネットワークを実現すべく、「情報指向ネットワークによる情報の価値に基づくデー タトランスポートシステム」の研究開発を行う。本研究の目的は、IoT(Internet of Things)アプリケーション等が自律性を最大限に発揮し、重要なデータ配信を低遅延かつ効率的に行うとともに、安全な通信を行えるネットワーク機能を柔軟かつ巧みに利用可能とすることを目的としている。 最終年度では、低遅延かつ効率的に配信するためのネットワーク内キャッシュと連動したトランスポート方式を提案し評価を行った。この提案方式の特徴は、情報指向ネットワーク技術(ICN)のネットワーク内キャッシュ構造を活用し通信トラフィック削減を図るとともに、中継ノードが保持する保留データリクエスト履歴を利用し、頻繁に参照される重要度或いは人気度が高いデータをネットワーク内でキャッシュされやすくすることにある。特別なメモリ構造やキャッシュ許可アルゴリズムを適用する必要がないことも特徴の一つとして挙げられる。シミュレーション評価により、遠距離にあるデータほどキャッシュされやすくなる傾向を確認し、データ応答遅延を最大で50%短縮可能であることを確認した。成果をIEEE Globecom2023に論文投稿し採択された。期間全体の他の成果としては、価値が高い情報を安全に配送すべく、量子鍵配送ネットワークの鍵リソース有効活用化を行えるICNと量子鍵配送ネットワークが融合した方式を提案し、IEEE Globecom2021に論文投稿し採択された。また、IoTアプリ ケーションがネットワークリソースを有効活用しつつネットワーク機能を柔軟に利用可能とするためのICN機能活用プロトコルを設計および評価を行い、IEEE CCNC2023に論文投稿し採択された。
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