2022 Fiscal Year Research-status Report
Acquisition of detailed and accurate information from a brain-morphic wireless sensor network by reservoir computing
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21K11867
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若宮 直紀 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (50283742)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 無線センサネットワーク / リザバ計算 / 分布推定 / イベント検知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、センシング、情報処理、通信の全てをパルス信号で実施する脳型無線センサネットワークによる情報基盤の確立を目指し、リザバ計算の応用によってパルス信号授受のダイナミクスから観測値の空間分布などの詳細な情報を高い精度で取得することを目的としている。令和4年度においては、令和3年度に引き続き、課題1~課題3を総合的に推進し、100台の興奮性ノードと25台の抑制性ノードを組合せ、バイナリセンサの閾値に応じて入力電流を設定し、読み出しノードにおいてランダムフォレストアルゴリズムを用いることで、熱源が一つの場合の平均推定誤差6.74度を達成した。さらに、脳型無線センサネットワークの高機能化のため、領域内の任意の位置に存在するアクチュエータがその周囲のノードのパルス送信状態を観測することによってイベントの発生を検知し、動作するためのネットワーク設計を行った。このような設定では、領域の四隅と中央に配置した読み出しノードのパルス発信状態が観測可能であるという従来の設定に対して、読み出しノードの空間分布がアクチュエータの周囲に限られるため、パルス発信状態の多様性が低下し、イベント検知が困難になるという問題がある。検討、検証の結果、100台の興奮性ノードと25台の抑制性ノードに加え、通信距離が大きい4台のリレーノードを配置することで、アクチュエータが領域中央に位置する場合に82.81%のイベント検知率と0.01の距離誤差を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目的であった空間的な観測値分布の推定に加え、IoTシステムとして求められるアクチュエータ機能の組み込みにも成功した。研究成果は国際会議論文として投稿しており、学術雑誌論文としても投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度においては、前年度の成果にもとづいて、脳型無線センサネットワークのさらなる精度向上、観測対象の時間的な変動への対応、ならびに脳型無線センサネットワークを含む情報通信システムの全体アーキテクチャ設計などの研究に引き続き取り組む。
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Causes of Carryover |
既有設備の有効利用を図ることで経費削減を行うとともに、成果発表先の国際会議を見直したため、当初執行予定を使用額が下回った。着実に研究成果を挙げていることから積極的な対外発表を行うなどして計画的かつ効果的に予算執行する。
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Research Products
(4 results)