2021 Fiscal Year Research-status Report
IoT/CPSサービスのための階層化ネットワーククラスタ形成による情報流通基盤
Project/Area Number |
21K11872
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
古閑 宏幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (20433401)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | IoT/CPS / 情報指向ネットワーキング / エッジコンピューティング / ネットワーククラスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,各サービスの要求特性や地理的特性に応じた階層化ネットワーククラスタ形成により,多種多様な分散情報をリアルタイムかつ効率的に探索・収集・配信可能な新しいネットワーク制御機構の研究開発に取り組んでいる.本年度は,(1)サービス特性に応じたネットワーククラスタ形成技術と(2)ネットワーククラスタ環境に適した輻輳制御技術に関して検討を行った. (1)サービス特性に応じたネットワーククラスタ形成技術 各サービスの要求特性や地理的特性に応じて多種多様な分散情報をリアルタイムに流通させる適切なネットワーククラスタを形成するため,まずコンテンツを特性要素に基づき分類し,多様な特性要素をもつコンテンツが流通している状況においてコンテンツ属性によるキャッシュ基礎特性を明らかにした.また,ルータがもつ限られた記憶資源を有効利用するため,符号化により複数のデータを多重化してキャッシュすることでキャッシュ効率を向上させる手法,および符号化において構成要素の組み合わせや符号化データのキャッシュ配置について最適化するための手法を提案し,その有効性を示した.さらに,クラス化したコンテンツ人気度に基づき効率的に分散キャッシュを探索する手法を提案し,その有効性を示した. (2)ネットワーククラスタ環境に適した輻輳制御技術 ネットワーク上に分散した情報をリアルタイムかつ効率的に配信するため,まず経路制御に用いられるメトリックとしてホップ数だけではなく遅延特性を導入することによる基礎特性を明らかにした.また,各ルータにおいてサービスの要求特性に応じてファジィ理論に基づき転送優先度を決定し,その優先度に応じた転送順序制御を行うパケットスケジューリング手法を提案し,その有効性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,適切なネットワーククラスタ形成手法や輻輳制御手法,ネットワーク容量設定法を明らかにすることを目的としている.本年度は,当初に設定した実施計画に沿って2つの研究課題に取り組み,ネットワーククラスタ形成手法に関してはサービス特性に応じたキャッシュ特性の分析や符号化を用いたキャッシュ効率向上手法および符号化キャッシングの最適化手法,サービス要求状況に基づく分散キャッシュ探索手法の検討を行い,輻輳制御手法に関しては遅延メトリックに基づく経路制御の伝送効率特性の分析やサービス要求特性に応じた伝送スケジュール制御手法の検討を行い,それぞれについて学会において成果発表を行っている.よって,おおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,今年度実施した各要素技術の検討結果を踏まえ,(1)サービス特性に応じたネットワーククラスタ形成技術と(2)ネットワーククラスタ環境に適した輻輳制御技術に関しては,各クラスタの連携や資源配分を考慮した制御手法への発展を検討する.また,これらの制御手法を密に連携させるための手法を検討し,(3)階層化ネットワーククラスタ形成による情報流通基盤に関する検討も開始する予定である.
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Causes of Carryover |
成果発表などで参加した学会が一部オンライン開催となり,また参加を予定していた学会などを一部次年度へ延期したため,次年度使用額が生じた. 成果発表や情報収集のための旅費や開発・評価用機器などの購入に利用する予定である.
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