2021 Fiscal Year Research-status Report
パーソナルピコセル手法に基づいた高速モバイルネットワーク
Project/Area Number |
21K11874
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
大塚 裕幸 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (60594067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 実靖 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (50439262)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | モバイルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
増加しているモバイルトラフィックを効率的に処理するネットワーク技術として,マクロセル内に複数のピコセルを形成するヘテロジーニアスネットワーク(HetNet)技術がある.本研究では,ユーザが利用するアプリケーションおよびピコセルへのユーザ端末の接続比率をもとに,個々のユーザ毎に最適化されたパーソナルピコセルを形成する手法を確立し,その手法に基づいた高速モバイルネットワークを実現することを目的とする. まずは,大規模なシステムレベルシミュレーションによりユーザスループットを評価するために,高速ワークステーションの設計と5G技術仕様を導入したシミュレーションプログラムの作成を行った.無線区間のフェージングモデルを見直し,新たに5G仕様で定義されたフェージングモデルをシミュレータに実装して特性評価ができるようになった.また,これまでトラヒックモデルとしてフルバッファモデルを標準としていたが,目的を遂行するために必要なFTPモデルを新たに追加実装した.例として,2GHzマクロセルと4.5GHz帯ピコセルからなるマルチバンドHetNetにおいて,フルバッファおよびFTPモデルに対するユーザスループットの特性比較ができるようになった.マクロセクター毎にピコ基地局への端末接続比率をもとにピコセルサイズを決定するピコセル拡張技術(適応制御型CRE)を考案し,その手法をシミュレータに実装し,基本特性を取得した.さらには,ピコセルに28GHz帯を使用した場合には,ピコ基地局に3次元ビームフォーミング(3D-BF)を実装できるようにした.以上,シミュレータを構築し,基本特性を取得できるようになった. また,ユーザが利用するアプリケーションとピコ基地局への端末接続比率をもとに個々の端末が接続先を選択し,個々の端末がピコセルエリアを決定する端末の実装の向けて,スマートフォンOSの修正を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模なシステムレベルシミュレーションを実行するために必要な高速ワークステーションの設計は順調に進展した.また,5Gの技術仕様,要素技術であるFTPモデル,3D-BF,適応制御型CREをシミュレータに実装できるようになり,基本的なユーザスループット特性を取得できるようになったため,研究は順調であると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
シミュレーションの高度化に伴うパラメータ設定を検証する.特に,マクロとピコセルの周波数が異なるHetNetのフェージング特性,広帯域化によるFFT設定,FTPモデルと適応制御型CREの組み合わせの検証が必要である.これらを確認したうえで,シミュレーションによるデータの積み上げを行う.
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Causes of Carryover |
予定していた国際会議がオンライン開催になったため,旅費の支出が大幅減となった.次年度に予定している高速ワークステーションの拡張と研究成果発表のための旅費等に使用する.
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Research Products
(8 results)