2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Safe Posture Identification: Modeling the Inclined Plane Mowing Behaviors of Skilled Workers via Multi-sensors Big Data Analysis
Project/Area Number |
21K11876
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
武 博 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助教 (70802031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 鳶 愛国学園大学, 人間文化学部, 准教授 (30822423)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 草刈り動作解析 / 農作業経験の可視化 / 経験的モード分解 / 身体運動計測技術の応用 / 農作業安全対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者等は広島県東広島市の山間地域にある棚田の地理的条件に関する調査と実験の結果に基づき、多様な分析手法を用いて作業の安全性に寄与する要因を特定した。 令和3年度では、転倒リスクに関連する要因を特定するために、65歳以上の熟練草刈り作業者の動作パターンに関する分類を行い、解析を行った。その結果、諸パターンの中で、「立ったまま草刈り」と「移動しながら草刈り」の2パターンが最も効率的であるが、同時に転倒リスクも最も高かったことが示された。作業者は、作業中に身体のバランスを保つために腕力に注意を払い、年齢や体格に応じた適切な転倒リスク低減策を講じる必要があることが明らかになった。 令和4年度では、ヒルベルト-ファン変換を用いて、草刈り動作を関節角度計算に基づいて動作パターンをサブアクションに分解することができた。その結果、異なる経験を持つ草刈り作業者のサブアクションにおける動作の頻度や振幅には差異や類似性がみられ、また身体特性(例:身長)が身体の安定性に及ぼす影響が明らかになった。作業者は、年齢の影響を受けつつ、足首の状態に注意を払いながら草刈りを行う必要があることが分かった。 令和5年度では、実験で得られた作業者の視線変化を反映する瞳孔運動のデータを解析することに焦点を当てた。特定の刈り取り動作に直接関連するサブアクションが発見され、行動に対応する瞳孔運動の周期を算出することによって、草刈作業者の集中状態を示す情報を逆推定することが可能になった。 本研究は、凸凹のある急峻な法面における安全な草刈り作業パターンを特定した。その成果は、熟練草刈り作業者の経験を可視化し、新人を対象とする教育とトレーニングに有用な知見を提供でき、草刈り転倒リスク検知システムを開発するためのデータ蓄積としても活用できる。研究成果は、学術論文(SensorsとAgriculture)等にて公表された。
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Research Products
(7 results)