2022 Fiscal Year Research-status Report
Detecting, predicting, and deterring fake news using information-sharing models
Project/Area Number |
21K11883
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
吉浦 裕 京都橘大学, 工学部, 教授 (40361828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 寛之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (60550978)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | フェイクニュース / 拡散モデル / 検知 / ユーザ説得 / 分断緩和 / ニュース信頼度 / ユーザ間信頼度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の期間は2021~2023年度であり、フェイクニュース対策の技術的な手法を追求している。フェイクニュースの拡散予測、フェイクニュースの検知精度の向上、フェイクニュースを信じるユーザの説得と社会の分断の緩和を取り上げている。2021年度には、フェイクニュースの拡散モデルの構築および、モデルを用いた拡散予測と検知を検討した。 当該年度(2022年度)には、ツイッター上のニュースから実データを収集して評価データを作成し、検知システムの精度および処理効率を向上した。評価データは、フェイクニュースとリアルニュース各10件から成り、各ニュースの発信者および転送者、各ユーザによる各ニュースの発信/転送時刻、ユーザ間のフォローフォロワー関係、ユーザがサンプルニュース以外に発信/転送した全てのつぶやきとその時刻から構成される。検知精度の向上については、フォローフォロワー関係のない孤立ユーザが検知精度の低下原因になることを見出し、フォローフォロワー関係のあるユーザのみから検知することで解決した。また、検知プログラムにおけるユーザIDの管理方法を改善することで処理時間を1/5に短縮し、大規模評価の見通しを得た。検知プログラムを評価データに適用し、フェイクニュースおよびリアルニュースに関わったユーザのニュースに対する信頼度およびユーザ間の信頼度を定量的に推定した。さらに、フェイクニュースは文章だけでなく、画像を用いる場合が多いので、投稿画像からのフェイクニュース検知の基礎検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の研究実績の概要で述べたように、概ね順調に進んでいる。ただし、下記の点で計画に遅れがあり、2023年度に回復したい。 1.評価データの収集は機械的に実施できず、ニュースの内容等を吟味しながら試行錯誤的に行う必要があったため、想定以上に時間がかかった。 2.令和4年度に学部長を拝命し、新設2年目の学部の立ち上げと研究科設置の準備に尽力した。学部長の拝命は想定外であったため、事前の対策が行えなかった。また、両眼の手術を受けたため、2か月にわたってパソコン業務が困難であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
1.2022年度には、フェイクニュースに関わったユーザのニュースに対する信頼度およびユーザ間の信頼度を推定した。これらの信頼度の値が低いユーザは、フェイクニュースへの関わりが弱いと考え、真実の受け入れを説得できる可能性がある。そのため、2023年度には、フェイクニュースおよび他ユーザへの信頼度の低いユーザを対象として、その全てのつぶやきを分析し、信頼度の高いユーザ(フェイクニュースへの関わりが強いユーザ)のつぶやきと比較する。 2.リアルニュースに関わったユーザとフェイクニュースに関わった全ユーザのつぶやきから単語集合を求め、ユーザと単語にまたがるクラスタリング(バイクラスタリング)により、2種類のユーザの共通の嗜好および相反する嗜好を推定し、ユーザの分断の緩和が可能かを検討する。
|
Causes of Carryover |
2022年度には、評価データの収集に想定以上の時間がかかった。学部長を拝命し、新設2年目の学部の立ち上げと研究科設置の準備に尽力した。また、両眼の手術を受けた。その結果、研究に多少の遅延が生じ、研究補助謝金の支払いが予定よりも少なくなったため、371,422円の次年度使用額が生じた。次年度使用額と翌年度請求助成金を合わせて使用することで、2023年度は研究補助員を増員して遅延を回復したい。
|