2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K11885
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
廣瀬 勝一 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (20228836)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑門 秀典 関西大学, 総合情報学部, 教授 (30283914)
満保 雅浩 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (60251972)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 暗号 / 暗号応用 / 軽量暗号 / 帰着可能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は「(1) 軽量暗号方式の設計と評価」と「(2) 応用が要求する機能を有する暗号方式の設計と評価」である。 課題(1)について,(a)衝突計算困難性を有する擬似ランダムハッシュ関数を提案した。これは,Merkle-Damgaardハッシュ関数に基づく鍵付きハッシュ関数であり,圧縮関数の計算回数最小化を達成しており,同じ安全性を有する標準鍵付きハッシュ関数HMACよりも効率が良い。このハッシュ関数が衝突計算困難性を有することと,擬似ランダム関数であることは,それぞれについて圧縮関数が満たすべき十分条件が提示され,数学的な証明により示されている。この成果については国際会議ICISC 2021で発表した。なお,近年,共通鍵認証暗号の実用について,衝突計算困難性を有する擬似ランダムハッシュ関数の興味深い役割が指摘されており,この成果は課題(2)にも関連する。(b)耐量子計算機暗号の有力候補の一つである同種写像暗号について,GPUを有する組み込み型プロセッサにおける軽量実装を目標として,多倍長演算をGPUで行うことを検討した。同種写像暗号は他の方式と比較して計算量が多いことが欠点であるが,本研究では,GPUが有する Cooperative Groups の機能に着目し,それを利用した計算速度向上とCPU負荷軽減を目指して実装を行っている。 課題(2) について,ハッシュ関数を用いるブルームフィルタを応用した正規表現向け検索可能暗号の安全性について評価を行い、安全性を保障するための条件について考察した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では「(1) 軽量暗号方式の設計と評価」と「(2) 応用が要求する機能を有する暗号方式の設計と評価」という二つの課題に取り組むことを計画しており,初年度に両方の課題について成果を得ることができた。さらにこの内の一つについて国際会議で成果発表を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた知見から研究遂行における特段の課題は見当たらず,研究計画の変更の予定はない。初年度に得られた成果について展開を図るとともに,初年度に取り組むことができなかった課題についても検討を開始する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により学会がオンライン開催となったため,旅費が不要となり,さらに学会参加登録費も引き下げられたことが主な理由である。「次年度使用額(B-A)」については,旅費や学会参加登録費に充てることを計画しているが,オープンアクセス論文掲載費などに充てることも検討する。
|
Research Products
(1 results)