2021 Fiscal Year Research-status Report
データの利活用を促進するセキュアシステムの証明可能安全性に関する研究
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21K11897
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
江村 恵太 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所, 研究マネージャー (30597018)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 証明可能安全性 / システムセキュリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) サーバとブラウザ間でEnd-to-End暗号化通信を行いつつキャッシュサービスを提供する暗号化キャッシュシステムに対し, 安全性モデルの定義と安全性証明を与えるとともに, 実装評価を行った. 実機実証実験を行い, 直接HTTPSで通信する場合と比較してキャッシュサーバとサービスプロバイダ間の通信量を約95%削減できることを確認した. プレプリントを公開するとともに, 国際論文誌に投稿した. (2) IDベース暗号における鍵供託問題を解決する新たな方法を提案し, 国際論文誌Theoretical Computer Scienceに採録された. また楕円曲線を用いた方式の実装評価を行い, 国際ワークショップWICS2021に採録された. (3) ビットコイン等で使用されるブロックチェーン上のアドレスに対する信頼性を匿名で付与する匿名信頼性付与システムを, アカウンタブルリング署名およびコミットメント方式を用いて構築した. 実装評価を行い, Bitcoin, Ethereum, NEMに適用可能であることを示し, 国際論文誌IEEE Accessに採録された. (4) Intel SGXを用いた関数型暗号を提案し, 安全性モデルの定義と安全性証明を与えるとともに, 実装評価を与えた. 本成果は国際会議ProvSec2021に採録された. (5) 検索可能暗号を用いたセキュアストレージ・チャットシステムを提案した. 国内会議情報セキュリティ研究会 (ISEC) で発表した後, End-to-End暗号化を達成するための鍵共有方式を提案, プレプリントを公開するとともに, 国際会議に投稿した. (6) 認証付き検索可能暗号システムの一般的構成 (ハッシュ証明システム, 検索可能暗号, 疑似ランダム関数) を提案した. 既存方式と比較して強い安全性モデルの下で安全性証明が可能である, かつ効率的であるという特徴がある. プレプリントを公開するとともに, 国際論文誌に投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読付き国際論文誌に2件採録, 査読付き国際会議/ワークショップに2件採録されている. さらにプレプリント公開3件分に関してもそれぞれ査読付き論文誌/会議に投稿中である. これらのことからおおむね順調に進展していると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
プレプリントに公開済の3件 (暗号化キャッシュ, セキュアストレージ・チャットシステム, 認証付き検索可能暗号) に対して査読付き国際論文誌/会議への採録を目指す. またさらなるセキュアシステムの提案を進める.
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Causes of Carryover |
コロナの影響により出張ができず旅費の使用がなかったため. また購入を予定していた機器について, 他の科研費により購入した汎用性のある物品を本研究でも使用できたため.
残額のR4年度の使用計画として, 国内出張を中心に使用する.
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Research Products
(6 results)