2022 Fiscal Year Research-status Report
データの利活用を促進するセキュアシステムの証明可能安全性に関する研究
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21K11897
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
江村 恵太 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所, 研究マネージャー (30597018)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 証明可能安全性 / システムセキュリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) サーバとブラウザ間でEnd-to-End暗号化通信を行いつつキャッシュサービスを提供する暗号化キャッシュシステムに対し, スケーラブルなアクセス制御を実現する手法を提案し, 国際会議ICISSP2023に採録された. (2) IDベース平文一致確認可能暗号について, 内部攻撃者を考慮した既存方式が非常に強い暗号学的道具立てを用いていたところ, 共通鍵暗号と疑似ランダム置換という非常に弱い暗号学的道具立てから構成可能であることを示し, 論文誌IEICE Transactionsに採録された. (3) 昨年度提案した検索可能暗号を用いたセキュアストレージ・チャットシステムおよびEnd-to-End暗号化を達成するための鍵共有方式について, 国際会議ICEIS2022に採録された. (4) 昨年度提案の検索可能認証暗号システムの一般的構成について, 国際会議ACM APKC 2022に採録された. さらに検索可能認証暗号システムの拡張 (放送型, フォワード安全性, 複数サーバ方式) の一般的構成をそれぞれ提案し, プレプリントサーバに公開した. (5) ブロックチェーンを用いたオークションシステムにおいて, 入札額の上限漏洩を防止した資金拘束型の封印入札オークションを提案し, IEEE Blockchain 2022に採録された. (6) コントラクトウォレットが直接トランザクションを発行するアカウントアブストラクションがプライバシー保護にも有用であることに着目し, プライバシー保護コントラクトウォレットシステムを提案, 国内会議暗号と情報セキュリティシンポジウム (SCIS) にて発表した. (7) 鍵付き準同型暗号を応用した暗号化制御システムを提案し, 国内会議コンピュータセキュリティシンポジウム (CSS) および自動制御連合講演会にて発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
査読付き国際論文誌に1件採録, 査読付き国際会議/ワークショップに4件採録されている. さらにプレプリント公開3件分, 国内会議発表3件分に関してもそれぞれ査読付き論文誌/会議に投稿中である. これらのことからおおむね順調に進展していると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
プレプリントに公開済の3件 (放送型検索可能認証暗号, フォワード安全検索可能認証暗号, 複数サーバ検索可能認証暗号), 国内会議発表済の3件 (プライバシー保護コントラクトウォレットシステム, 暗号化制御システム) に対して査読付き国際論文誌/会議への採録を目指す. またさらなるセキュアシステムの提案を進める.
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Causes of Carryover |
コロナの影響により出張ができず旅費の使用がなかったため. また国内/国際会議にオンライン参加の際に学会によっては参加費が減額される措置があったこと, 他の科研費により参加費が賄えたため. また購入を予定していた機器について, 他の科研費により購入した汎用性のある物品を本研究でも使用できたため.
残額のR5年度の使用計画として, 国内出張, 論文誌掲載費, 国際会議参加費を中心に使用する.
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Research Products
(9 results)