2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of parallel solvers with spectral-like resolution for three-dimensional incompressible turbulence
Project/Area Number |
21K11927
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 直也 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (80547414)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 乱流 / 倍精度 / 単精度 / シミュレーション / 並列計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は2つのテーマ (i)スペクトル法にもとづく乱流のDNSにおける丸め誤差の影響を,単精度DNS・倍精度DNSの比較により行うこと,ならびに(ii)高精度な差分法である6次精度コンパクト差分法(CD6)に基づく乱流コードのさらなる高速化を,進展させた。(i)については,シミュレーションにおける時間刻みの依存性を調べ,前年度の結果を補足する結果を得ることができ,これまでの結果と合わせ現在論文原稿を作成し投稿準備中である。(ii)について,現状の乱流コードを(A)並列部分, (B)非並列部分に分けて考えると,(B)の部分について,コードのdoループ内の配列の数を減らすことで計算速度をあげる改善をコード全体に行った。その結果,改善前は(A)より(B)の方が計算時間を費やしていたが,改善後はそれが逆転し,(A)の方が(B)より計算時間全体に占める割合が多くなった。この結果を踏まえ,(A)に注目し,現状のCD6の非局所的な並列化手法を,局所的な手法に置き換えることを試みている。解析解をもつテイラーグリーン流れでこの局所化されたコードの正確さを検証したところ,この置き換えは成功したと判断している。 研究期間全体のまとめ: (i)については,乱流物理量であるエネルギー散逸やエンストロフィーのエクストリームイベントの解析を行う場合には,倍精度DNSが望ましいことがわかった。高レイノルズ数乱流の特徴の1つが,エクストリームイベントであること,ならびに,近年このエクストリームイベントの解析をする研究グループが増えているため,本研究で得られた知見は有用であると考えられる。(ii)については,今後の超並列計算をふまえて,局所通信を利用するアルゴリズムの開発が望まれている。本研究ではこの方向性で研究を推進しており,地道に効率的な計算手法を開発し,その妥当性を検証しているといえる。
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