2021 Fiscal Year Research-status Report
道路損傷検出及び地図更新のための自己学習型車載スマートビジョンシステムの開発
Project/Area Number |
21K11949
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
松島 宏典 久留米工業高等専門学校, 制御情報工学科, 准教授 (60413879)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道路損傷検出 / 自己学習機能 / 自己位置推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
道路損傷の簡易的な点検手法に関する研究が盛んに行われており,主に深層学習と画像処理手法等を用いることで道路損傷箇所を検出している。しかし,交通量や自然環境が常に変化することで教師データに存在しない現象が出現するため,高い検出精度を維持することは難しい。さらに,検出された損傷箇所の保存方法や運転への利活用も課題となっている。 そこで,本研究では,道路の損傷情報をダイナミックマップに反映させることのできるスマートビジョンシステムを開発する。このシステムは,損傷箇所の経年変化や環境変化に対応するため,既存のラベル付き教師データを活用しつつ,損傷箇所の検出結果を新たに学習して教師データとして活用する機能を備えたものである。 この研究によって,車両に搭載されたスマートフォンやドライブレコーダなどで道路を撮影するだけで,普段の防災・維持管理に努めることができ,自然災害発生直後にも情報を迅速かつ的確に収集し,復旧や支援に必要不可欠な道路交通網を確保することが可能となる。さらに,将来の自動運転に必要となるダイナミックマップの作成にも寄与することができる。 本年度は,既存のラベル付き教師データを用いて学習した識別器を作成し,車両に搭載したカメラデバイスで撮影された未知のデータを識別器に入力した後,出力結果のクラスタリングを行った。その際,各クラスタに既知のラベルを割り当てることで,未知のデータを識別器の学習のための教師データとして活用した。その結果,良好な結果が得られることが示唆された。また,Visual SLAM技術の利用により,撮影データを変換し,マップ生成を行った。現在,撮影環境の大幅な変化等が発生する際,トラッキングロスト等が増加する可能性が出てきた。今後は,これらの対策に取り組んでいく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部当初計画書の内容と研究の進行の順番が異なってはいるが,おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,未知の入力データに自動で未知のラベル付けを行い,教師データとして活用する手法の確立や,自己位置推定時のトラッキングロストの改善手法の発展等について検討していく予定である。
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