2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21K11972
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
芦澤 恵太 静岡理工科大学, 情報学部, 教授 (70548073)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 画像符号化 / 可逆圧縮 / 情報圧縮 / ランレングス符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では、ドローンによる空撮画像や測量で得られる点群データ、さらに超高精細画像など、我々の生活において目にするようになっていく、いわゆる新しい画像に注目した。これらの新たな画像が共通してもつ特徴の一つに、解像度の高さが挙げられる。ただし、解像度の高さはデータ量の増加に直結する。従来の画像圧縮では、劇的なデータ量の削減と引き換えに視覚的な優先度に応じた情報の取捨選択(量子化)を行ってきた。せっかく解像度を高く画像取得したのに情報を捨てるという矛盾の解決を目指し研究に着手した。 我々の持つ非可逆圧縮アルゴリズムの開発に関する知見を活かすためにも、2年目までは新たな画像の信号特性(画素値の統計的性質やファイル構造)の把握に重きをおいた為、成果発表を行えていなかった。最終年度である2023年度は、申請課題を発展させる今後の課題につながる研究成果を国際会議で2報行った。当初は、空撮画像、点群データ、または高精細画像のどれかに、これまでの研究成果を応用することを試行していたが、最終的には符号化部においてスライスランレングスと名付けた方式の開発に至った。さらに本課題から派生した成果を国際会議で1報、国内口頭発表2件、査読付き国際誌1報で発表した。なお、派生した成果とは、斜めのエッジ検出アルゴリズムと新たな量子化アプローチの提案に関するものである。 画像圧縮の基礎研究は、1992年のJPEG方式の登場以降30年が経過し、やりつくされたといった評価を得ることがあり。しかし本課題において新たな画像の解析を丁寧に行い、可逆圧縮アルゴリズムを再検討する機会を与えられたことで、今後の研究の糸口を得ることが出来た。
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