2022 Fiscal Year Research-status Report
ボトムアップ思考とトップダウン思考を区別した創造性支援ツールの基礎研究
Project/Area Number |
21K11978
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
由井薗 隆也 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70315399)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 創造性支援 / 創造性教育 / ボトムアップ思考 / KJ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、人間の創造性を支援するツールに関する基礎研究として、多くの人々から集められたアイデアを創造的にまとめるタスクを対象とした人間 の創造性を向上するためのシステムを実証することである。なお本研究では、日本発の衆知をあつめる発想法であるKJ法を参考としている。 本年度は、(1)ブレインライティングを変形した方法として個人の意見と他者の意見を明示的に区別した独自手法を考案した。そして,その手法と組み合わせたKJ法を用いた創造性教育を実施した。その結果、約20人分の研究同意を得た研究データを得ることが出来た。データの分析はこれからであるが、ボトムアップ思考と集合知的部分を組み合わせた分析を実施する予定である。 (2)知識創造学習支援システムを用いて1ヶ月程度における学習者の知的生産性(進捗の登録や文章の更新)とモチベーションの関係について10人の大学院生を対象として、調査した。その結果、進捗の更新回数と研究に関するまとめ文章の質の相関係数が 0.75となり、進捗の更新回数が多い人ほど、知的生産が高くなる傾向が得られた。またポジティブな感情とモチベーションの相関係数が 0.84 と強い相関があったが、まとめの文章の質との間には目立った相関係数は得られなかった。そのため、アンケートによる主観的な感情評価と定量的な知的生産性の評価を関連づけることは難しいことがわかった。 その他:小学生の高学年児童を対象として、ストーリー思考的な考えが創造性教育に与える影響を調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた被験者実験がコロナ環境の影響などもあり、実施できなかった状況がある。 しかしながら、研究ターゲットであるKJ法のための前段階であるブレインライティングを変形した方法として個人の意見と他者の意見を明示的に区別した独自手法を考案できた。そして、その独自手法とKJ法を組み合わせた創造的活動データを得ることができた。またKJ法などを参考とした機能を持つ知識創造性支援システムの1ヶ月利用についても、定量的・定性的評価を行うことができた。 以上を総合して、創造性支援ツール研究として一定の成果を上げることができたため、(2)と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
新規発想を目指す「ボトムアップ思考」と、アイデア整理を目指す「トップダウン思考」を区別した評価実験を行う予定である。一方、今年度、新たに考案したブレインライティングの変形手法とKJ法を組み合わせた創造的活動については、集合知的な要素を考慮した分析を行う予定である。 以上より、創造性支援ツール研究への基礎貢献を進めていく計画である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響などがあり、当初予定した実験を実施できなかった。 今後、それを補う実験(人手による内容評価も含む)やデータ収集を実施することによって、次年度使用額を有効活用する計画である。
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Research Products
(1 results)