2021 Fiscal Year Research-status Report
Basic research on physical restraint immersive VR system
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21K11985
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
中村 壮亮 法政大学, 理工学部, 准教授 (20634695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 拓也 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (70777987)
望月 典樹 法政大学, 理工学部, 助手 (70823756)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 知能ロボティクス / バーチャルリアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は身体固定型の没入型VRインタフェースである「Motion-less VR」に関するものであり、大きく4つのSTEPを踏みながら研究を進める計画を立てている。その中で、STEP1・2が当該年度(研究全体の初年度)に着手予定のものであり、いずれも運動意図取得技術の改良に資するものである。これらについて取り組んだ結果を報告する。 STEP1:姿勢に応じたトルク変換による運動意図取得の精度向上 【1年目】 Motion-Less VRでは固定された実身体の関節角と運動しているバーチャル身体の関節角が異なるため、我々は、ユーザはバーチャル身体の関節角を自身の現在の姿勢と思い込んで筋発揮を行うとの仮説を立てている。そして、この仮説が正しければ、実身体で計測されたトルクをバーチャル身体へ本来入力しようとしたトルクへと変換することで運動性能が向上すると考えている。そこで、実際に肘関節を対象に変換有無での運動性能を比較したが、予想に反して大きな差異は見られなかった。しかしその後、検証用に作成した動力学シミュレータにて、肘関節の動きでは変換に値しない程度しかトルクが変わらないことが判明したため、本手法の有用性は肘では検証できないとの結論となった。 STEP2:筋電センサを用いた運動予測による運動意図取得の遅延抑制 【1~2年目】 トルクセンサ遅延や運動シミュレーションの処理遅延により、時間遅れ及びそれに伴う不要な筋発揮が生じていると考えられる。そこで、筋電センサを用いたバーチャル身体の運動予測により時間遅れの低減を図ることとした。本年度は、筋電センサのセットアップを行い、センサ遅延や処理遅延を実際に見積もるところまで進んだ。しかしその結果、現状のシステムでは動作不安定であり、遅延抑制の性能向上が誤差として埋もれてしまう段階にあることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに本年度予定していた2項目について研究を実施し、一定の成果が得られたため、概ね順調と考えている。 STEP1のトルク変換に関しては肘では不要(効果薄)という想定外の結果が得られたが、これは必ずしも思わしくない結果ではなく、複雑な処理が不要となる点でむしろ好意的なものとも捉えられる。また、肘以外では必要となる部位と姿勢の組み合わせが存在することは十分に考えられるため、手法自体も適用箇所などを継続調査する価値がある。 STEP2に関しては、一時凍結との結論となったが、これもシステムの他の(より影響の大きい)誤差要因をつぶしてからまた立ち帰る予定であり、計画倒れなどではない。むしろ、今後の計画がより明瞭になったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度(研究全体の初年度)の研究結果を受け、肘関節ではSTEP1の手法の有効性が見られないことが分かった。そこで、姿勢乖離による発揮トルク値への影響が大きくトルク変換が必要となる部位に対象を変え、次年度以降も手法自体の効果検証を継続する。 なお、肘について変換不要であること自体は都合の良い結果であるため、STEP2~4に関しては、肘を対象としてトルク変換を行わないものとして今後の研究を進めて行く。 また、当該年度の研究結果から、STEP2は一時凍結とし、先立って次年度はSTEP3の研究に取り組むこととなった。STEP3の内容は力学モデルのパラメータチューニングであり、そのための最適化手法などについて既に検討を開始している。STEP3が完了し次第、STEP2を再開する予定である。
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Causes of Carryover |
当初計画では筋電計測装置として既に保有している生理計測装置(NeXus10)の使用を予定していたが、STEP2の研究を進める中でノイズ対策が極めて重要であることが分かったため、有線ではなく無線の筋電計測として定評のあるFree EMG 1000を購入することとした。それに伴い、前倒し申請を行った。一方で、コロナ禍が十分には収束せず、当初予定していた国際学会の費用等が浮く事となった。そのため、前倒し申請を行ったうえで、次年度使用額が発生している。なお、本年度で大物機材の購入は完了したため、次年度は主に学会発表や論文誌掲載料などの成果発表に本助成金を使用する。
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Research Products
(6 results)