2022 Fiscal Year Research-status Report
The study of visual processing: effects of wide-field visual stimuli and spatial frequencies on optokinetic nystagmus and afternystagmus
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21K11999
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
瀧 正勝 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30453111)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 視運動性眼振 / 眼球位置 |
Outline of Annual Research Achievements |
視運動性眼反応は一方向に動く視覚刺激に対して生じる反応である。研究代表者の過去の研究で視運動性眼振と視覚刺激の広視野角との研究で眼球速度に有意な差がないことは報告してきたが、視野角の違いにより自己運動知覚(ベクション)が異なることは知られている。これらの違いが視運動性眼振の速度ではなく、眼振の動く範囲などの位置変化による違いの可能性がある。そこで呈示する視覚刺激の角度(視野角)や視覚刺激の時空間周波数を変更し眼球位置を測定することとした。また、視運動性眼振を発生させたあとに、急に画面を消すことにより後眼振が生じる。これらについても内部の情報と視覚刺激の情報をどのように脳は使用しているのか検討するため実験を計画した。 Windows PC上でOctaveベースで作成されているPsychtoolboxにて動く正弦波の視覚刺激を平面でなく、仮想のドーム状になるように正弦波の縞の幅をモニター中心と左右端で変化するよう計算し作成し、3つのモニターで視覚刺激を同時に提示し、被検者を覆うようなかたちで視覚刺激を提示した。この刺激によりべくション・運動残効も十分生じた。サンプリング率500Hzのカメラや半規管機能計測のEyeSeeCamにて眼球記録を開始したが視野の妨げになることと、視覚刺激のCPU、GPUへの負荷が大きく、不具合が生じたため現在視覚刺激の修正を行っている。実験内容については第81回日本めまい平衡医学会専門会員の会にて報告を行った。視覚刺激の修正が完了次第眼球運動の記録を行い学会発表、論文作成にうつる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍、世界的半導体不足で記録装置の部品が届かず、カメラ記録を開始したのが年度末になった。また前述のカメラおよび半規管検査用カメラ(EyeSeeCam)での計測を試みたが、一部PCモニターの刺激視野を妨げる結果となり、刺激視野を妨げない方法で記録をやり直すことになった。また視覚刺激を起動させたところCPU、GPUへの負荷と分波による影響か動きに不具合が生じたため視覚刺激の修正が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在動く視覚刺激を修正中であり、修正完了しだいデータ記録を開始する。 視野を妨げず、眼鏡などの視力矯正でも記録可能である角膜網膜電位計測による眼球運動記録も検討している。視覚刺激の不具合さえ修正できれば今年度中に予定の実験は完遂可能と考える。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため欧州で行われたバラニー学会はオンライン発表となり旅費が不要となった。 実験の遅れにより論文投稿にかかる英文校正料がまだ未使用の状態となったため残金が生じたが、実験完遂次第論文作成に取り掛かる予定であるため次年度使用の予定である。
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