2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of high density and high freedom tactile device using MEMS technology
Project/Area Number |
21K12002
|
Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
曽根 順治 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50329215)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ヒューマンインターフェイス / メタバース / バーチャルリアリティ / インタラクション / MEMS / 触覚 / 力覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. カンチレバー型のMEMS この試作においては、PZTより圧電性能が高いと産総研などから報告されているPLZTの成膜を行い、2020-2021年度で成膜条件を詰めてきた。2022年度の後半から東北大での試作が緊急事態宣言の緩和があり、PZTより、少し性能の良いLaを0.7%付加したPLZT圧電膜が成膜できるようになった。カンチレバーの強度を向上させたカンチレバー型のMEMSデバイスの試作が実施できた。新しく採用したPLZT成膜剤の粘度が高く、2cm角の基板では、厚みが0.5μmを超えると外側に割れが生じるため、4cm角基板での製作を実施した。両端部は、20ピンのFFPコネクタのスロット接続部である。 2. 超音波型デバイス 超音波型のデバイスは、共振周波数を30KHz以下となるように、設計して、圧電膜にPLZTを採用してデバイスを作成した。最初の試作結果では、新たな問題が発生した。それは、配線を絶縁する酸化膜に、PLZTのPb成分がドーピングされて、絶縁性が落ちてしまい、その絶縁層上に形成する配線も綺麗に成膜できない問題があった。そのために、配線の作成を圧電膜の成膜の後に実施することにより、絶縁膜のPbドープを防いだ。そのために、配線とグランドの接触問題を防ぐために、下部電極の微小領域をエッチングと酸化チタン膜コートによる、Pbドープの防止を施し、正常に配線できるようにした。裏面は、振動板が40-70μmになるように、Si基板の垂直彫り込みを実施している。さらに、上部電極は、2μmのPLZT膜の上部に形成されるために、基板の配線部まで、段差を連結する必要があり、200nmのPtのスパッタ配線では、この段差を埋める導通が難しかった。そのために、現在は、2μmの段差部を、厚膜のAl蒸着や、Cuメッキを実施して配線の改善を試している。一部のデバイスでは、Al厚膜の蒸着を実施した結果、80KHzの広帯域のマイクロフォンを用いて、音波を測定し、26KHz付近に共振点を確認した
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北大 MEMS試作コインランドリの緊急事態宣言の緩和に伴い、試作が実施できた。開発の効率化と試作費用を減らすために、5インチサイズのフォトマスク1枚に、4枚分のマスクを配置してレーザライタでマスク部を一括作成し、基板を4枚に割ることにより、一度に4枚のマスクを作成できるようにした。そのことにより、全12枚のマスクを3回で、作成できるようになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
上部電極は、2μmのPLZT膜の上部に形成されるために、基板の配線部まで、段差を連結する必要があり、200nmのPtのスパッタ配線では、この段差を埋める導通が難しかった。そのために、現在は、2μmの段差部を、厚膜のAl蒸着や、Cuメッキを実施して配線の改善を実施する。 MEMSの開発後は、樹脂製のインターフィス部を作成し、カンチレバー型は、連結ピンの作成と配置、抜け止めを検討する。超音波型は、MEMS基板とインターフェイス部の密着の検討や、インターフェイス部の減衰を防止するための金属のメッキなどを検討する。 開発したデバイスを用いて被験者実験を行い。触覚の提示方法を検討し、さらに、東京大学 川嶋教授開発の医療ロボットに、活用してもらえるように検討を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
2月と3月に東北大学で、MEMSの試作を実施するために、予算を繰り延べた。これらの費用の請求は、3月中旬と4月になるためである。
|
Research Products
(4 results)