2021 Fiscal Year Research-status Report
大規模かつ多様な問題に対応可能な3次元パッキング問題解法
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21K12030
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
間下 以大 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00467606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 天鎬 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (70792737)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 3次元パッキング / 強化学習 / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
パッキング問題はNP困難な問題であり,最適解を効率的に得ることが難しい.そのため,実用的な解を得るためになんらかの探索アルゴリズムを用いて最適化を行う必要がある.最適化の目標となる解の評価値を定めるうえで,本研究では剛体の運動シミュレーションを用いて積み上げた荷物を揺する様子を観測し,荷物の移動や損傷を評価することを提案した.これにより,従来では静止状態の安定性の評価が主であったのに対して,本研究では荷物の輸送中の振動といった,動的な状態の評価を実現した.また運動シミュレーションにより得られるデータを利用して,横倒しにならないようにする,上積み禁止といった,様々な制約条件に柔軟に対応できる解の評価式を提案した.これによりパッキング問題の解の探索において,運動シミュレーションを用いて解を評価することの利点を示した.この成果は電子情報通信学会の英文誌, IEICE Transaction on Information and Systemsで発表した.また,より効率的な解の探索を行うためのエンコーディング・デコーディング手法の開発にも一部取り組んだ. 本研究では今後,遺伝的アルゴリズムによる解法だけでなく,強化学習によってパッキングの途中状態の評価を行い,より効率的な解法の開発を目的としている.しかしながら,遺伝的アルゴリズムでは問題の規模が大きくなると,良い解の発見が困難になる.そのため,本研究では初期の学習には人手によって生成されたパッキング状態を教師データとする.そのデータを作成するため,人手によるパッキングの解を生成するシステムの開発を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝的アルゴリズムと物理シミュレーションによる動的な状態の解評価を行う解法については順調に進捗し,論文誌として発表した.2年目以降に予定していた,より効率的な解の探索のためのエンコーディング・デコーディング手法についてはも一部取り組んだ. 深層学習モデルへの入力形式については,取り組んでおらず,より時間がかかると予想される,データ生成のためのシステム開発を優先して行なった.
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Strategy for Future Research Activity |
人手によって解を作成するシステムが完成したため,今後これを用いたデータ収集と,1年目に予定していた深層学習モデルの開発を並行して行う.深層学習を用いた物理シミュレーションによる解の高速化は,現段階の問題規模では優先順位が低いと判断し,強化学習による解の評価手法に優先的に取り組むこととする.
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Causes of Carryover |
GPUを含む計算機については,過去の研究で使用したものがまだ利用可能であったため,それを利用した.今後も新たなGPUが発表されると予想でき,適宜必要な時期に現在よりも高性能なものを購入する. 旅費等については,新型コロナによってほぼ全ての学会,研究会がオンライン開催となったため,参加費や学会の会費だけの支出となった.
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Research Products
(1 results)