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2022 Fiscal Year Research-status Report

Generalization of machine learning based on mutational robustness and homeostasis of gene regulatory networks

Research Project

Project/Area Number 21K12059
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

市瀬 夏洋  京都大学, 情報学研究科, 特定准教授 (70302750)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywordsネットワークロバスト性 / ロバスト性評価法 / 遺伝子ネットワーク
Outline of Annual Research Achievements

与えられたネットワーク構造に対し、変異ロバスト性とホメオスタシスの強度を評価する方法について開発した。変異ロバスト性とホメオスタシスは共にネットワークのロバスト性を与えるものである。しかしながら、変異ロバスト性は外乱(変異)によってもネットワークの状態が変化しない特性であるのに対して、ホメオスタシスはネットワークの状態が外乱(環境ノイズ)によって変化してしても元の状態に戻る特性である。最終的にはネットワークの状態が保持される特性を表すものであるが、その過程は異なる。必然的に変異ロバスト性とホメオスタシスの両者の評価法は異なり、それぞれの評価方法を提案した。
変異ロバスト性とホメオスタシスはネットワークのスケールフリー性、すなわちネットワークの出次分布の分散に大きく依存することがわかった。しかしながら変異ロバスト性とホメオスタシスはトレードオフの関係、すなわち両者は排他的にどちらかが優位となり、ネットワークの構造として同時に増強はされないことがわかった。
このトレードオフ関係が生物の発生砂時計モデルを説明するのではないかと予想し、マウスの発生過程における遺伝子ネットワークに対して変異ロバスト性およびホメオスタシスの解析を行った。発生砂時計モデルとは生物種間で発生の中期の表現形が最も類似するとするものである。結果としてマウスの発生中期では変異ロバスト性は高く、ホメオスタシスは低いことが示された。変異ロバスト性が高いということは変異によってもネットワークの状態が変りにくいことを示しているので、発生砂時計モデルを説明する。変異ロバスト性は一般に進化的に保存されにくいことが知られているが、ホメオスタシスが低いことが様々な分化が生起している発生中期では有利であるため、高い変異ロバスト性も保存されたという結論を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在、平衡点学習の開発を行い、遺伝子発現データに対する応用を目指している。平衡点学習とは、リカンレントネットワークにおいてその挙動が平衡点となるように機械学習する方法である。ニューラルネットワークにおける自己連想記憶モデルと同等の機構であるが、機械学習におけるリカレントネットワークと同様に機械学習時にはリカレント構造を展開しフィードフォワードネットワークによって学習を行える。
遺伝子発現データは、細胞内の遺伝子ネットワークの挙動を反映したものとして計測される。従って、遺伝子発現データをリカレントネットワークによって学習することは遺伝子ネットワークの挙動を直接的にモデル化することに相当する。多数の単一細胞に対する遺伝子発現データを用いてモデル化されたリカレントネットワークの複数の平衡点は、その生物が持つ細胞タイプを反映したものとなる。
ここで問題なのは、データとして用いられる遺伝子発現が単一細胞から得られたものであることである。このため単一細胞あたりのデータには、本来発現しているのに発現していないと測られるなどのノイズが含まれる。このデータから妥当な平衡点を学習するには至っていない。

Strategy for Future Research Activity

遺伝子発現データに対する平衡点学習について開発を進める。これまで遺伝子発現データのノイズに対する扱いが問題となっている。そこで、遺伝子発現データを前処理することなしに、直接的に深層学習を適用することによってノイズの傾向も含めた学習法を開発することを目指す。具体的には深層自己符号化学習に平衡点学習を適用し、細胞内タイプを反映した平衡点を獲得することを試す。
さらに、平衡点学習におけるネットワーク構造に変異ロバスト性やホメオスタシスの特性から得られた知見を反映し、その特性によって平衡点の性質が変化するかを検証する。

Causes of Carryover

学会参加等を差し控えたため、旅費が0となった。今年度は積極的に学会等に参加する。

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Published: 2023-12-25  

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