2022 Fiscal Year Research-status Report
設計変数空間上で離れた解構造を持つ複数の良解探索のための分布比較型共進化
Project/Area Number |
21K12060
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
折登 由希子 玉川大学, 工学部, 准教授 (60364494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 良子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (30511711)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 進化計算 / 解構造の相違 / 等式制約 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、設計変数空間上では大きく離れた解構造を持つが目的関数空間上では同等の価値となる複数の解が存在する最適化問題に対して、これら複数の解全てを求める進化計算の枠組みの開発を行う。 令和3年度には、進化計算による探索中に解構造の相違を考慮しつつ複数の良解を得るため、解構造分析手法のサーベイを行った上で、テスト問題を対象に確率分布の違いを測定するKL情報量を利用して解構造の相違の定量化を試みた。サーベイの過程で、設計変数空間における変数値の差分を利用して等式制約処理を行うことで解構造の相違を解消する一手法を開発した。また、目的関数空間上で複数の解が存在する資産配分問題において、従来の進化計算の探索では、探索方向が一方向に偏ってしまい、他の解を探索できないケースが多いという問題点を明らかにした。 令和4年度には、令和3年度に開発した手法の改良を行った。また、小規模問題ではあるが、より現実的な最適化問題として、プロスペクト理論を導入した資産配分問題の改良手法による最適化を試みた。これまでの部分的成果については、国内誌に3件の発表を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度には、進化計算による探索中に解構造の相違を考慮しつつ複数の良解を得るため、テスト問題を対象に確率分布の違いを測定するKL情報量を利用して解構造の相違の定量化を試みた。この解構造分析結果は、現在まとめている最中であるが、代表者の所属機関異動に伴う講義準備時間増大の関係から、本課題の進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、令和4年度に引き続き、設計変数空間上では大きく離れた解構造を持つが目的関数空間上では同等の価値となる複数の解が存在する最適化問題において、KL情報量に関わらず様々な指標で解構造の相違の定量化を進め、進化計算の共進化の枠組みを利用して解構造の変化を牽引する設計変数の抽出を試みる。具体的には、代表者の別課題の研究成果である縁付きヘッセ行列を用いた極値判定法を利用することで、複数の設計変数を相関係数を利用してグループ化することで、解構造の相違の定量化を試みる。部分的成果は順次公表する計画である。
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Causes of Carryover |
代表者の所属機関異動に伴う講義準備時間の増大により、本課題の進捗がやや遅延したことで、旅費、物品費等に未消化が生じた。 令和5年度において、研究発表のための旅費、研究関連物品費、論文投稿関連費とする。
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