2023 Fiscal Year Annual Research Report
An epidemic simulation based on a multi-agent system distributed in a continuous space
Project/Area Number |
21K12064
|
Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
畝見 達夫 創価大学, 理工学部, 教授 (50151915)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 感染シミュレーション / マルチエージェントモデル / 並列分散処理 / シナリオ分析 / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症を想定した感染ダイナミクスのマルチエージェントシミュレータを開発し、各時点における流行状況を再現するとともに、あり得るシナリオに沿ったその後の状況についての分析を可能とするシナリオ設定ツール、シミュレーション結果を分析するための統計処理ツール、および、視覚化ツールを開発・実装した。本モデルの特徴は、エージェント1つを人口1人に対応させ、行動モデルに基づいて2次元空間上を移動させ、個体の特性の集合結果としての、接触頻度の過多および集団免疫の達成度により流行のダイナミクスを模擬する点である。 100万人規模のシミュレーションに耐えるようマルチコアCPUの性能を活用した並列計算方式を実装し、複数台の小型計算機をネットワークで接続し、1日を12ステップとし1年間分をシミュレーションを1組のパラメータごとに128とおりのシミュレーションを実行する環境を整えた。 また、人の行動パターン、予防対策の実施状況、ワクチン接種の進捗、変異ウイルスの侵入などを含む様々なパラメータ設定を容易にするため、パラメータ値および時間を追って変化するシナリオを JSON 形式で記述し、系統的なシミュレーションの実行する機能を実装した。シミュレータはHTTPに基づくコマンド受信および結果送信の機能を付け加えた。 シミュレーションの模様は、2次元平面上を移動するエージェントのアニメーションによって詳細を観察でき、また、感染者数や重症患者数などの統計量の変化を動的に表示することで、直感的にも把握しやすくした。このような視覚化の機能は、シミュレーション状況の把握とともにダイナミクスの直感的理解を助けるものでもある。
|