2022 Fiscal Year Annual Research Report
イカの擬態行動におけるパターン変化に学ぶ動的パターン形成理論
Project/Area Number |
21K12065
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岩本 真裕子 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (80738641)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動的パターン / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経制御支配の動的なパターン形成のメカニズムを明らかにし、数値シミュレーションによるメカニズムの解明・および動的パターン形成の制御のために、実験的な報告をもとに数理モデルの構築した。 イカ類は表皮表面に3つの色素細胞(黒・赤・黄)をうまく調整することで、瞬時に体表の色や模様を変化させることができる。軟体動物であるイカ類のとって筋肉は重要な組織であり、体表パターンを変化させる際にも、体表の色素胞の大きさを制御しているのは筋収縮である。また、イカ類は視覚能力が優れており、視覚情報に合わせて体表パターンを変化させることで環境に擬態すると言われている。これまでイカ類の体表パターンの変化については、観察・実験ベースの報告的な研究が多く、そのメカニズムに迫る数理的なアプローチは行われてこなかった。そこで本研究ではコウイカの体表パターンおよびそのメカニズムに潜む自己組織化現象について数理モデルの構築を目指した。 ヨーロッパコウイカなどは、体表の全体にストライプパターンが、端にスポットパターンが出やすく、一見するとチューリングパターンに似ている。場所によってパターンが異なるメカニズムを、曲面でのパターン形成が要因であると捉え、コウイカのボディの形を簡略した簡単な多様体上でのチューリングパターンについて解析・考察した。また、色素細胞の集合体の時間変化からなる動的パターン形成を制御することを目指し、その基礎的な考察として、自己駆動粒子の群れのルール変化と形態変化について考察した。
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Research Products
(4 results)