2022 Fiscal Year Research-status Report
予測概念の多様性に対応した情報量規準の開発:計算統計的アプローチ
Project/Area Number |
21K12067
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
伊庭 幸人 統計数理研究所, モデリング研究系, 教授 (30213200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 恵佑 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 准教授 (20806070)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ベイズ統計 / MCMC / モデル選択 / sensitivity / 共変量シフト / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに得た重み付き推論についてのモデル選択規準(PCIC for weighted inference)に関する研究成果がNeural Computation(IF=3.27)に掲載決定となった(第一論文)。当該論文のリバイズにあたっては、査読者のコメントに従って特異モデルへの応用に関する証明と数値実験を追加した。本論文で提案された規準は、共変量シフトのある場合や因果推論で傾向スコアの値が与えられている場合において有用であり、MCMCのアウトプットから容易に計算できる。 また、対象をギブス損失の評価とベイズ期待値をプラグインした予測分布の評価に絞るかわりに、より一般の評価関数に拡張した情報量規準を提案した論文(arXiv:2206.05887v1、第二論文)を一流誌に投稿したが不採択となったため、他誌への再投稿を目指して改訂中である。こちらの論文では、プライバシー秘匿の問題など、現代的な興味に即した問題も扱っている。 新たな方向として、事後共分散・事後キュムラントを利用した近似的なブートストラップ法、信頼区間のABC近似、バイアス補正、尤度の確率展開について研究した。バイアス補正および尤度の確率展開についての結果は特に独自性が高いものと思われる。これらの結果について所内のセミナーで議論し、論文にまとめるための準備を行っている。 新型コロナ感染症の影響で、国内・海外の出張は行わなかったが、2023年度以降はより積極的に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不採択が続いていた第一論文が受理され,第二論文についても再投稿に向けた作業が進捗している.一方で,1年前にはわからなかった様々な関連事項とのつながりが明らかになってきており,今後の研究の進展が期待できる.以上より「おおむね順調に進展している」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
改訂中の第二論文を再投稿し,掲載を目指す.また,理論面で昨年度に得た結果をまとめ,あらたな論文原稿を作成するとともに,応用面での展開も目指す.本科研費で購入したPCのリモートでの利用により数値計算の能力が増加したので,それを生かして研究を進める.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響での初年度からの繰り越し額が影響して,次年度使用額が生じている.積極的に出張を行うことで使用したい.
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Research Products
(1 results)