2021 Fiscal Year Research-status Report
Generation of Audio-Visual Contents by Using Harmony for Positive Computing
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21K12084
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
寶珍 輝尚 京都工芸繊維大学, 情報工学・人間科学系, 教授 (00251984)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ポジティブ・コンピューティング / マルチメディア / 感情 / 遷移 / 印象 / 調和 / ウェルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
人間をよりポジティブにする情報処理であるポジティブ・コンピューティングが提案されている.ここで,快-不快と覚醒-非覚醒で構成される2次元平面上に感情を布置するラッセルの感情円環モデルを参考にして,ポジティブ-ネガティブという次元に覚醒・活動的-非覚醒・非活動的の次元を加えた二次元の感情空間でポジティブ感情への誘導を行うことを提案している.また,筆者らが構築してきている印象に基づいて画像や音といったマルチメディアデータを相互に検索する感性マルチメディア検索システムを使用すると,様々な感情状態に合致したマルチメディア素材を選出することが可能であることを示してきている.しかし,感情空間上の位置が近くても印象が異なるマルチメディア素材がある.これは,写像において捨象した因子の影響があるからである. そこで今年度は,マルチメディア素材を利用したポジティブ・コンピューティング(マルチメディア・ポジティブ・コンピューティング)の実現において,マルチメディア素材の印象を表すすべての因子を利用し,それらの因子が構成する印象空間を利用することを提案した.また,画像を例として検討し,適切な画像の選択ができれば画像によるポジティブ・コンピューティングが可能であることを示した.さらに,当初の感情から目的とするポジティブ感情に誘導するために印象空間上でメディアコンテンツを選出する手法を提案した.また,ポジティブ感情誘導に影響があるようである音楽のジャンルの影響と視覚コンテンツ中の注視物体の影響についての検討を開始した. 以上により,印象空間上でメディアコンテンツを選出し利用者に提示することで,当初の感情から目的とするポジティブ感情に感情空間上で誘導することを可能とすることができた.これは,マルチメディア・ポジティブ・コンピューティングが実現可能であることを示したものであり,非常に大きい意義がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,感情空間のみを使用して感情の遷移とメディアコンテンツの選出を考えており,感情空間に評価性の軸の追加を検討する予定であったが,感情の遷移を考える感情空間とマルチメディアコンテンツの選出を考える印象空間を区別することにより,感情空間に評価性の軸を追加することなく,マルチメディア・ポジティブ・コンピューティングが実現可能とすることができたため. また,印象空間上でメディアコンテンツを選出することで印象に一貫性のあるマルチメディアコンテンツを選出できながら,感情空間上で当初の感情から目的とするポジティブ感情に誘導することができる手法を実現できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,申請書に記載の計画通り,(2)音楽と画像の視聴覚素材の作成,(3)音楽と動画の視聴覚素材の作成,ならびに,(4)感情遷移での最適視聴覚素材と生成視聴覚素材の同等性の検証を行う.また,生成したコンテンツを利用したポジティブ感情への遷移方式についての検討とその方式の有効性の検証を行う.
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Research Products
(3 results)