2023 Fiscal Year Research-status Report
エスノメソドロジー手法を用いたジャズ即興音楽演奏知識の記述と計算可能モデリング
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21K12087
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安藤 大地 東京都立大学, 学術情報基盤センター, 准教授 (20552285)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ジャズアドリブ演奏 / 音高の認知 / 身体知 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、被験者の体調不良等によりレッスンの録音データをほぼ全期間にわたり取得できなかったため、依頼しているジャズギター教師役の他の生徒へのインタビューを中心に行った。また別の助成金を用いて行っているオンラインレッスン研究の生徒がジャズアドリブ習得に強く興味を持ち始めたため、オンラインレッスンの録音データも参考にした。 それらのデータを分析した結果、音楽そのものの初学者がジャズギターを習得してく過程において、五線譜を全く読まずにギターの指板上の音高を認知していることが分かった。このような五線譜を介さない音高の認知は、ジャズギター教師のギター演奏時の音高の認知と同様であり、レッスンによりそのような音高の捉え方が伝達されていることを確認できた。具体的には、和音構成音を指板上の指の感覚で捉えることができることが、これまでのレッスン録音データからわかった教師役の特徴であり、そのような和音構成音の捉え方やドミナント進行の指板上の位置関係を、全く音楽の知識がない生徒に効率的に伝達できており、五線譜上の音楽の知識がなくても生徒は演奏ができるようになっていrう。 また、本研究の拡張として即興演奏のアート的意義を拡張する作品である絵本型エレキギターエフェクタを制作し、それについて解説したジャーナル論文が採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者の体調不良や時間の都合がつかないことによるレッスン中断が理由で継続したレッスンデータが多く集まらない状態になっている。ジャズギター教師の他の生徒へのインタビュー等で穴埋めしている状態であるが、被験者の交代も含め検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、レッスン録音データの継続的な収集が中断している状況である。 今後は、時間の都合がつけやすい生徒約の被験者の演奏データの収集を行う方針に切り替える。 また、教師役の演奏データは既に取得しているが、このデータをさらに多く取得する。 これらのデータを用い、ジャズギターの経験による演奏データの差の数理的分析を行っていく。
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