2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of whiteness evaluation method considering the effect of texture on whiteness
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21K12100
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
片山 一郎 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (70369916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 元紀 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (00304155)
西 省吾 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (70411478)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 白色感 / テクスチャ / 輝度 |
Outline of Annual Research Achievements |
白紙や白布などの白色製品は, 白さの程度によってその価値が左右される.そのため, 古くから増白技術や白さの定量的評価方法が研究されてきた. 一方,多くの白色物体は,その表面に固有のテクスチャを有し,われわれはテクスチャに起因する輝度の2次元分布に基づいて,白色を知覚している.しかし,テクスチャが白色知覚に与える影響は未解明であり,現行の白色度評価法は, 測定領域を平均化した輝度情報に基づくため, テクスチャを有する白色物体の適切な評価ができない. そこで本研究は,テクスチャが白色感に与える影響を明らかにし,新たな白色度評価方法の提案を目指している. 令和3年度は,テクスチャが異なる壁紙3種類と布3種類を標準刺激として選定し,テクスチャの3次元形状および輝度の2次元分布を測定するとともに,表面が平滑な比較刺激との白さを比較する視感評価実験を行った. 被験者に一定照度で照明された標準刺激と白さが等しくなるように比較刺激の照度を調整させ,その時の比較刺激の輝度(主観的等価輝度)を記録した. その結果,視覚系のコントラスト感度が最大となる周波数帯域の空間周波数成分を多く含む表面では,平均輝度以上に明るくより白く知覚される傾向が見られた.これは,低輝度部分を一様な高明度表面の凹凸によってできた低照度領域と知覚するか,さまざまな輝度成分から構成される表面と知覚するかの違いによるものと考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テクスチャサンプル表面の3次元測定,輝度の2次元分布測定は,それぞれ技術的な問題はなく,実施できた. 視感評価実験も被験者の協力が得られ,問題なく実施できた.
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Strategy for Future Research Activity |
テクスチャサンプル表面の3次元精密測定データを編集し,系統的にテクスチャの異方性および空間周波数を変化させたサンプルを3Dプリンタで生成する.その後,視感評価実験を行い,テクスチャ性状と白色感との関係を検討する.
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Causes of Carryover |
テクスチャサンプルの3次元形状データをデジタルマイクロスコープをレンタルで使用して取得する予定であったが,計測器メーカーの営業方針の変更により,レンタル使用が不可能となった.近隣の公設研究機関で3次元形状測定器を借用して,概ね必要なデータは取得することができた.その結果,当初予定していたデジタルマイクロスコープレンタル料に比較して,公設研究機関での測定器の借用料が極めて安価であったため,残額が生じた. 残額は,令和4年度予定している光造形3Dプリンタおよび周辺装置の購入に充当する.
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