2021 Fiscal Year Research-status Report
ICT連携の検査データ共有による糖尿病コントロールと歯周治療の数値的関係の解明
Project/Area Number |
21K12126
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 利佳 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (50336179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 孝 長崎大学, 病院(歯学系), 教授 (20295091)
松本 武浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20372237)
小関 優作 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (30770284)
田浦 直太 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380860)
臼井 哲也 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (60404258)
黒木 唯文 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (70404225)
阿比留 教生 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00380981)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 歯周病 / ICT医療連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域医療連携ネットワークシステムである「あじさいネット」(2022年3月31日現在の診療情報共有登録数 127,911名)の基本機能に含まれるネットワーク型地域連携パスに,「糖尿病医科歯科連携パス」を構築した。パスの構成項目(共有検査項目)は,糖尿病関連がHbA1c,グリコアルブミン,随時血糖,低比重リポ蛋白-コレステロール,高比重リポ蛋白-コレステロール,中性脂肪,尿中アルブミン.クレアチニン,推算糸球体濾過値,歯周病関連が現在歯数,口腔内細菌数,唾液潜血反応,口腔清掃状態(PCR),歯周炎症表面積(PISA),咀嚼能力とした。糖尿病関連の検査データについては,診療所の外注検査データと情報提供病院での検査データを共有する「検査データ共有システム」からパス内に自動格納とし,歯周病関連の検査結果については,手入力とした。糖尿病関連と歯周病関連の検査データは時系列で同時にグラフ表示でき,関連性を確認したい項目のみ選択も可能とした。パスに登録された患者毎に連携医療機関を登録し,登録された医療機関のみに当該患者へのアクセス権を発生させる。また,メッセージ交換機能により,医科の主治医と歯科の主治医間でメッセージのやり取りも可能とした。 この糖尿病医科歯科連携パスを利用することにより,糖尿病と歯周病の関係を目に見える形で表現することが可能となった。今後,パスの利用を推進してデータを収集・分析し,糖尿病のコントロ-ルと歯周治療の関係を数値化して明確にすることにより,歯周治療の重要性への国民の理解を深め,糖尿病患者の歯科への受診勧奨や歯周治療の数値的到達目標の設定に役立てることができる。加えて, ICT医療連携への歯科介入を促し,医科歯科連携の推進にもつながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,2021年度中に,長崎大学病院内での「糖尿病医科歯科連携パス」の試験運用まで行う予定であったが,パスが完成した直後に,コロナウイルス感染拡大防止のための診療制限が実施されたため,まだ運用開始に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
パスを使用する院内の医師,歯科医師に対する運用説明は実施済みであるため,早急に院内での運用を開始し,問題点等があれば改修を行う。並行して,あじさいネット加入医療機関に対して運用説明を行い,院外へ運用を拡大する。
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Causes of Carryover |
参加予定としていた学会がWEB開催となったため,旅費が不要であった。次年度購入予定の細菌カウンタの価格が高騰しているため,その購入費用として使用予定である。
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