2023 Fiscal Year Annual Research Report
ICT連携の検査データ共有による糖尿病コントロールと歯周治療の数値的関係の解明
Project/Area Number |
21K12126
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 利佳 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (50336179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 孝 長崎大学, 病院(歯学系), 教授 (20295091)
松本 武浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20372237)
小関 優作 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (30770284)
田浦 直太 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (40380860)
臼井 哲也 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (60404258)
黒木 唯文 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (70404225)
阿比留 教生 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00380981)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 歯周病 / ICT医療連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
長崎地域医療連携ネットワークシステム「あじさいネット」のオンライン型地域連携パスに「糖尿病医科歯科連携パス(以下、連携パス)」を構築し、検査データ共有システムから格納された糖尿病関連の検査結果と手入力した歯周病関連の検査結果を共有し、時系列で同時にグラフ表示可能とした。糖尿病関連の共有項目はHbA1cなどの10項目とし、歯周病関連は歯周炎症表面積などの8項目とした。また、口腔内写真等の画像の登録・閲覧も可能とした。 長崎大学病院糖尿病診療支援センター又は地域の医療機関にて糖尿病の管理中で、かつ過去3ヵ月以内に歯周治療を受けていない歯周病患者を対象に、連携パスの利用を開始した。歯科への紹介患者に対し、文書を用いて連携パスの説明を行い、参加について同意を得た後、連携パスに登録した。歯周治療開始前、スケーリング終了後およびスケーリング・ルートプレーニング終了後に、歯周病関連検査と口腔内写真撮影を行い、連携パスに検査結果の入力と写真の取り込みを行った。糖尿病関連の検査データと歯周病関連検査結果は、ワンクリックで同一画面でのグラフ表示ができ、比較したい項目を選択して表示可能とした。 2022年6月から糖尿病診療支援センターと連携して院内での連携パスの運用を開始し、同年9月から地域の医療機関と連携した運用も開始した。その後も改修を重ね、2023年7月に本格運用を開始した。2024年3月時点での登録者数は8名で、データの収集・分析には至らなかったが、歯周治療と糖尿病のコントロールの関係を目に見える形で表現することが可能となり、医科歯科連携の強化や患者指導に役立てることができた。 令和6年度診療報酬改定で、糖尿病患者に対する歯科受診推奨が生活習慣病管理料の算定要件に追加され、歯科への患者紹介は増すと予想されるため、今後は、数値的関係の解明ができるよう、さらに利用拡大に努めていく予定である。
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