2021 Fiscal Year Research-status Report
Outcome definition repository for epidemiological research utilizing electronic medical record databases
Project/Area Number |
21K12128
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
漆原 尚巳 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 教授 (10511917)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 大典 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 教授 (90457052)
佐藤 泉美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20726971)
橋本 梓 (原梓) 慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 准教授 (20740426)
岩上 将夫 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30830228)
米倉 寛 藤田医科大学, 医学部, 助教 (40832530)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 医療情報データベース / アウトカム定義 / リアルワールドデータ / 薬剤疫学 / 疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年大規模健康情報データベース(DB)の疫学研究への応用が進んでいる。DB研究で評価されるアウトカム(疾病診断や診療内容、医薬品の使用など)は、DB上のコードにより定義されるが、そのアウトカム定義に関する情報を集積するレポジトリを構築する。これにより、研究の評価対象であるアウトカム等に関する情報を共有財産とすることでその妥当性検証と透明性を高めることにより、一層のDB研究の推進を図る。 日本薬剤疫学会OutcomeDefinition RepositoryのTask Force(TF)は、日本疫学会、日本臨床疫学会からの協力を得つつ、大学、製薬協、医療データベース協会などからの構成員と共に、本レポジトリ構築・運用に向けて2019年2月28日に設立された。これまで13回の会議を開催し、本Repositoryの構築及び運用に向けた議論を行い、利用する研究者の観点から、レポジトリデザイン、運用体制・制度について決定してきた。 薬剤疫学研究に利用可能なデータベースを使用した既報の論文を基に、Repository design(登録する情報・項目、及び対象)の決定、及び運用体制・制度、及び利用者のアクセス権限の検討、これら検討結果に基づいたRepository のpilot版構築を行ってきた。 現在、構築されたpilot版Repositoryの試行入力を行いつつ、運用・入力マニュアルを作成、既報のデータベース研究論文を用いたテスト入力を行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の会議開催についての概要を以下に示す。 第8回会議(2021年5月7日開催)では、関係学会との運営体制、pilot構築及び運用担当者と役割分担、本運用に関する議論を行った。第9回(2021年7月1日開催)では、Pilot版構築担当運営体制、Pilot版構築進捗、運用マニュアル整備、第10回(2021年8月24日開催)では、pilot 版構築の進捗、仕様の説明、入力マニュアル、規制当局の活動に関する情報収集、第11回(2021年9月30日開催)では、pilot 版テスト入力のフィードバックと確認事項、修正変更の検討、第12回(2022年1月20日開催)では、Pilot版の変更点共有、現状と課題、第13回(2022年3月4日開催)では、pilot版ODRテスト入力、操作マニュアルへのフィードバック、翌年度実行計画の方針、本運用レポジトリ構築の外部委託業者候補について議論を行った。 本Repositoryに入力する電子化医療情報データベースを用いた研究における論文の情報については、1.書誌情報(論文の書誌情報、査読の有無、データソース(データベースの種類、データベース名)、データ取得期間、研究デザイン)、及び、2.コード定義情報(コード定義、定義対象(イベント名、薬剤名など)や構成要素、バリデーションの有無)登録すべきコード定義対象は、研究対象者(適格基準・除外基準)、曝露、アウトカム、共変量、と決定した。この決定に基づき、Pilot版Repositoryをノーコードツールを用いて構築し、メンバー間で入力試行、検証を行っている。 本Repository運用にあたっては、公表論文に基づき、著者又は学会員が自発的に入力することを想定し、オープンアクセスとして運用することととした。、Repository運用マニュアルを作成し、入力テストとともに検証を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の実行計画について、外部委託業者への業務の見積もり依頼以外は完了しており、おおむね順調である。 翌年度は、外部委託業者の選定準備と依頼を行い、レポジトリの本番環境構築を開始する。また、別途研究代表者が実施したリアルワールドデータを用いた研究における評価項目と疾患分野の分析に関する研究で使用した学術論文の内容に基づき、Pilot版Repositoryへの入力を行い、Pilot版Repositoryを完成させ、試行版として公開運用を開始し、本番環境における管理運用マニュアルに反映させる。本番環境における初期データは、Pilot版Repositoryに入力したものを活用することとする。並行して、レポジトリの学会間共同運用のためのマニュアル関連を作成し、承認を得る。
|
Causes of Carryover |
感染症対策のため当初予定していた学会等の出張費の支出が抑えられた。また、レポジトリ本番環境構築の委託業務の初期費用について、見積もり算出と業務依頼が2年次以降となったため、1年次の支出予定分が、次年度の支出予定に変更になった。 本研究の2年次において、レポジトリ構築委託業者の選定を行い、委託業務費用として発生する予定である。また、情報収集及び本活動の周知のための学会参加のための旅費も感染症の蔓延状況等を鑑みながら、2年目に実行する予定である。
|
-
[Presentation] 医療情報データベースを用いるためのOutcome Definition Repository(ODR)の構築 日本薬剤疫学ODR-Task Force報告2021
Author(s)
井上 慧哉, 岩上 将夫, 小野 利展, 北島 行雄, 木村 友美, 佐藤 泉美, 杉田 玲夢, 杉山 大典, 原 梓, 宮崎 真, 米倉 寛, 漆原 尚巳
Organizer
第26回日本薬剤疫学会学術総会