2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on Transaction Data and its Application by using Algebraic Multi-Dimensional Bookkeeping System
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21K12139
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
出口 弘 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (60192655)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 実物簿記 / 交換代数 / リアルタイムエコノミー / 複合データ伝票 / 会計公準 / 電子インボイス / X-Road |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、経済・社会的活動により日々生成されるトランザクションデータを代数的実物簿記により記述し、それをデータレジスタ上でリアルタイムに記録し、様々に利活用に関するための理論と情報システムの設計・実装・評価を行う。企業間のトランザクションデータのデータ処理とその利活用に関する理論とシステム構築の両面から新しい枠組みを提起し、それを理論と実践面から評価することが、本提案での学術的な問いとなっている。 そのために本研究では、トランザクションデータの記述を「代数的な実物簿記」という簿記を代数的に定式化して拡張した数理により行う。その上で、様々な組織および組織間でのトランザクションデータの測定に始まり、その代数的定式化、データレジスター上へのリアルタイムの蓄積、検索と計算による利活用までの一貫した、組織及び組織間のデータ処理と利活用のアーキテクチャを提案し実装し評価する。 この目的のために、本研究ではの三つの達成すべき研究課題を立てた。本年は、その第一の目標である「製品やサービスの生産現場からトランザクションデータを収集するための理論とそこでのトランザクションに関する様々な認証や監査などの計算体系の明確化」に関して大きな進展を見た。また二つ目の「トランザクションの連鎖をトレーサブルに記録し計算するための理論とその実現基盤となるデータレジスタアーキテクチャの開拓、そのアーキテクチャのPoCのための実証実験」についても準備が整った。これらに必要なアーキテクチャ設計の基本枠組みとして、代数的実物簿記による複式データと、アノテーションのための単式のデータ代数形式のデータを複合した「複合データ伝票形式」を定式化することができた。これにより実際の企業の業務プロセスを記述するPoCの準備が整えられた。これらの成果はフルペーパ査読付き国際会議および計測児相制御学会社会システム部会で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、相変わらず新型コロナ感染のために、対面での研究のための海外調査などはできなかったが、ZOOMを用いた遠隔での国際会議や国内会議の参加は問題なく、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、企業の会計高順の枠組みを超えた、ミクロな受発注から生産のプロセスに対して、代数的実物簿記を用いた状態表現(複合データ伝票形式)での記述を行う、PoCを試みる予定である。 同時にその情報処理を行うシステムの開発を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナのため、想定していた海外(フィンランドおよびエストニア)への出張が不可能となったため。
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