2021 Fiscal Year Research-status Report
Attempt of comprehensive frailty intervention for elderly people at home by eating together using ICT equipment
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21K12151
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
藤田 高史 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (10460627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能登谷 晶子 福井医療大学, 保健医療学部, 非常勤講師 (30262570)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ICT機器 / 居宅高齢者 / 認知症 / フレイル / 栄養管理 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者のうち,身体機能虚弱,認知・心理機能虚弱,社会性の虚弱状態の3つの状態になった者は,要介護状態になりやすく,フレイルと呼ばれ,わが国ではフレイルに対する栄養摂取管理や運動量の増進などの活動が進んでいるが,居宅認知症者と軽度認知障害者に関しては,服薬管理を含めたフレイル対策を合わせて行う必要がある. 本研究では,ICT機器を用いて,居宅認知症者およびMCI者に対し,食事時の服薬管理と同時に会話による栄養摂取状況の確認が可能か,会話を楽しむことによる認知・心理虚弱状態防止を試みるといった予備的研究を行うことにした. 2021年度に関しては、新型コロナウィルス感染拡大を受け、感染リスクの高い高齢者向けの研究活動に制約を受けた.そのため,2021年度は若年層の独居者を対象にICT機器を活用したカロリー摂取測定が可能か、ICT機器を通した食事場面での会話で心理面への変化がみられるかについて,予備的検討を行った. 対象は、独居男性5名(年齢22.0±0.0歳)であった.方法は,研究者のスマートフォン(スマホ)と連動させた、TV電話が可能なi-SEED社製「パルモ」を対象者の居室に設置し,食事時間に「パルモ」とスマホ画面を通して,会話しながら食事することを6日間実施した.また,食事の際は対象者のスマホで食事を撮影してもらい,画像からカロリー量を計測するアプリケーション「カロミル」を用いて,毎回のカロリー摂取量を測定した. 結果,当初,カロリー摂取摂取量が過剰な2名は20歳代の平均カロリー摂取量に近づいたが,カロリー摂取量が少ない2名については変化がみられないなど,元々の食事量がカロリーコントロールに影響する可能性が考えられた.心理的な効果については,楽しく食事ができたなど肯定的な効果が確認された.また,朝食をきちんと食べるようになったなど栄養摂取面での改善を期待できる結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究概要でも触れたが、2021年度は新型コロナウィルス感染感染拡大により、感染時のリスクが高い高齢者に対してリクルートをかけることができなかった。また、若年層者を対象にした予備的な研究に関しても同様の理由で、十分な数の研究参加応募者を得ることが出来なかった。 2021年度に関して予定では若年層健常30名程度を対象に予備的検討を実施する予定であったが,これも新型コロナウィルスのため募集停止を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は,研究の遅れを取り戻すため,究参加の募集を積極的に実施していく.前期は,2021年度の続きで若年層を対象に研究を実施する.対象は,研究者が勤務する大学の学生を対象とすること,以前より新型コロナウィルスによる登校制限も無いと予想されるため,これはスムーズに進行すると考えられる. 後期は,地域在住高齢者および有料老人ホームで研究参加募集をかける.高齢者に対しては,ICT機器を通して食事中の会話や認知症予防活動,下肢の運動指導を一緒に実施する予定である.また、若年層者と同様にカロリー摂取測定,心理面の変化を調べるアンケートを実施する.認知面の測定は神経心理学的検査,身体機能のフレイル防止効果については,体組織計を用いる.なお,ICT機器を介して食事中の会話を行う研究協力者は,前期で研究に参加した学生とする.高齢者に関しては,ワクチン普及に伴い,以前より良い意味で社会参加に対しての警戒心が薄れており,参加者確保の点では好転するものと予想している.後期の期間(10月~翌年3月)の間で高齢者10名のデータを収集したいと考えている. 以降、2023年度は高齢者30名のデータを収集し,計画の通りのペースに戻したい.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,2021年度の新型コロナウィルス感染拡大により,研究対象者が集まらなかったあるいは,中断せざるを得なかったことにある。また学会参加がオンラインとなりその分,旅費に係る経費が大幅に減少した.次年度使用額となった165,025円の内,研究対象者への謝金が60,000円,あるいは研究実施時の協力者へのアルバイト料として70,000円,旅費約35,000円が,本来,使用する予定の内訳であった. 2022年度では,上記の金額は,研究対象者へのデーター収集(研究の実施)や学会参加によって,使用する予定である.
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Research Products
(2 results)