2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K12171
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡田 信一郎 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (60271756)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教育支援システム / 反復学習 / 学習間隔 / データベース教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,適切な学習間隔を空けた際の得点を高くすることで、効果的な反復学習を促す学習間隔に応じた得点法を「SQL実習支援システム」と「リレーショナルデータモデル演習システム」に適用し、実際の授業の運用における学習履歴、学習結果を分析することを目的としている。2022年度までに、2つのシステムへの実装と、2021年度のリレーショナルデータモデル演習システムを対象とした詳細な学習履歴の分析が行われている。 2023年度は、2つのシステムの2021年度、2022年度の2年分のデータの詳細な分析を行った。この分析によって、SQL実習支援システムにおいても、学習者の学習間隔の空け方は、学習間隔を空ける場合、学習間隔を空けた学習と空けない学習が混在する場合、学習間隔を空けない場合、と様々であること、学習間隔を空けない学習者は期末試験の得点率が低い傾向にあるなど、リレーショナルデータモデル演習システムと同様の傾向があることが確認された。ここまでの結果は、情報処理学会の研究会において報告を行っている。 一方、2023年度の運用では、SQL実習支援システムに対し、学習履歴63名分、アンケート回答43名分、期末試験の得点率64名分、リレーショナルデータモデル演習システムに対し、学習履歴64名分, アンケート回答38名分, 期末試験得点率64名分のデータが昨年度までと同様に得られているが、さらにシステムの利用期間の1,2週間後に行った実力確認テストの結果を、それぞれのシステムに対して46名分、38名分得ている。 さらに今年度は、個々の学習者の「SQL実習支援システム」の学習履歴と「リレーショナルデータモデル演習システム」の学習履歴を対応させた分析も行っている。この分析は2023年度の運用データを含めて行っているが、この結果については学会発表などによる公開を行っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つのシステムのそれぞれの学習履歴の分析結果では、上述のとおり学習者によって間隔の空け方が異なること、間隔をほとんど空けない学習者は期末試験の得点率が低くなる傾向が確認されたが、同じ学習者による2つのシステムの学習履歴を対応させて分析を行ったところ、1人の学習者が2つのシステムを異なる学習間隔の空け方で学習している場合が多く見られた。その結果、学習者を間隔の空け方で分類した際に、同じ分類に属する学習者の人数が極端に少なくなる結果となった。そのため、2022年度までの運用データで結論を導き出すことが困難となり、2023年度以降の運用データも用いて分析を行う必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の分析結果を精査し、学会などで公開することを目標としている。 また、今年度も運用データの収集を予定しているが、より学習間隔を空けやすくするような得点計算法の改善を導入することも検討している。
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Causes of Carryover |
2回以上を想定していた研究成果の公表が口頭発表1回に止まり、しかも現地参加の予定が天候不良によりオンライン参加となったため、次年度使用額が生じた。2024年度内の研究成果の公表に使用する予定である。
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