2021 Fiscal Year Research-status Report
深層学習と力覚で異常値判定を行いサイバーセキュリティ学習を支援するシステムの開発
Project/Area Number |
21K12186
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
石原 学 小山工業高等専門学校, 電気電子創造工学科, 教授 (20211047)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイバーセキュリティ / 力覚 / 機械学習 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワークを利用した遠隔授業やテレワークの稼働により、ネットワーク初心者の利用が急増している。これらにより、セキュリティ教育や熟練の程度からネットワークインシデントの発生が懸念される。そこで、サイバーセキュリティの学習を支援するシステムを開発することを目的とする。情報セキュリティ教育は一般的に、情報倫理教育との関係から紙ベースや演習方式(パワーポイントや実験など)を通して理解させる教材が多い。本研究は仮想現実を利用したサイバーセキュリティの理解を深める教育システムの構築を目指す。 昨年度の研究では、多様化するスパムメールに対応するため様々な学習モデルを使い機械学習の機能比較を行った。機能比較では、前処理や学習に要する時間、正答率を元に比較を行った。学習モデルは、SVC、線形SVC、決定木、ランダムフォレスト、ベルヌーイ分布に従ったナイーブベイズ、ロジスティック回帰を使用する。訓練データの内容の変化は3つのパターンを作成した。訓練データに使用する単語の品詞を変化させた場合、訓練データのスパム比率は変えずにメールの総数を増減させる場合、メールの総数を変えずにスパムの比率を変更した場合の3つの実験を行った。その結果、迷惑メールの分類では、訓練データのスパム比率、使用する品詞、メールの総数に応じたモデルの選択が必要であることが分かり、適切なフィルタリングについて指摘した。 ネットワークインシデントの訓練として、サイバーセキュリティ演習システムを構築した。水飲みば攻撃、なりすまし、Dos攻撃その他の攻撃手法を、攻撃者および被害者として体験できる。 力覚システムを利用した、静脈採血時の穿刺力の再現を検討し、静脈採血訓練システムを構築した。これは、ネットワークを利用した場合に人体への影響があるために注意深く再現する必要があり、システムとして敏感に対応を迫られるシステムであるので試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)a)サイバーセキュリティ訓練システムの構築 b)機械学習によるスパムメールの判定法とその推定制度 c)力覚を使ったシステムでの動作確認シミュレーション などについて研究を行った。さらに、力覚においては触角としての感覚量について基本特性の検討を行うことができた。これらの研究と成果について学会等において発表および公表をした。 2)おおむね順調であったが、COVID-19の環境下で、海外での国際会議での発表等ができなかった。オンラインで発表は実施したが、従来のフロアでの議論などが出来ないところが課題である。 3)COVID-19の影響で、半導体等の電子部品の調達に遅れが発生していた。今年度の成果には大きな影響が出なかったものの、今後の問題点として検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度において、1)サイバーセキュリティ訓練システムの構築 2)機械学習によるスパムメールの判定法とその推定制度 3)力覚を使ったシステムでの動作確認シミュレーション についての試作および実験を行った。これらの中から、ネットワーク環境中で、攻撃された、または踏み台となった情報端末の攻撃挙動についてネットワーク内でのトラフィック解析を行う。これらの解析したネットワークパターンから特徴量を抽出することを検討する。さらに、ネットワークを介した力覚システムを構築して、ネットワーク中での伝送データの挙動解析を行う。
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Causes of Carryover |
COVID-19の環境下において、国際会議での発表旅費の執行が進まなかったこと、および国内での学会発表も同様であった。また、システム設計においての半導体電子部品の購入等との時間的不一致があり使用が進まなかった。 今年度については、引き続き積極的に成果の公表などに使用することとしたい。また、システム設計にいても順次進めていきたい。
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