2022 Fiscal Year Research-status Report
深層学習と力覚で異常値判定を行いサイバーセキュリティ学習を支援するシステムの開発
Project/Area Number |
21K12186
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
石原 学 東京工業高等専門学校, 電気工学科, 特任教授 (20211047)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 力覚 / サイバーセキュリティ / 表面粗さ |
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワークを利用した遠隔授業やテレワークの稼働により、ネットワーク初心者の利用が急増している。これらにより、セキュリティ教育や熟練の程度からネットワークインシデントの発生が懸念される。そこで、サイバーセキュリティの学習を支援するシステムを開発することを目的とする。情報セキュリティ教育は一般的に、紙ベースや標的攻撃演習方式を通して理解させる教材が多い。本研究は仮想現実を利用したサイバーセキュリティの理解を深める教育システムの構築を目指している。また、力覚という人間の特徴量を判別して、セキュリティの判定に応用することを考えている。昨年度の研究では、物体の表面形状を変化させることで、人が物体表面をなぞる行為について、力覚装置を利用して実験を行った。ここでの表面形状とは、表面粗さである凹凸を力覚装置を通して感じることができるかや、感じることのできる範囲を検討している。まず、力覚装置を利用し、表面形状のモデルを構成した。再現されたものを力覚を使って人間が識別する。この識別実験を行い整理した。モデルとして①三角形②円③三角と円形の複合の形状、として板に敷き詰める形状で作成した。実験結果から各形状の間隔が短い場合に認識が悪いことを実験から得た。また、ディスプレイ表示する状態を板として視覚表示すると、表面粗さの相違の認識率が向上することが分かった。このとき、板の形状の情報を視覚表示に含めていない。ダミー表示であっても、なぞる対象物があることが力覚を応用したシステムではキーポイントになるものと考える。この特性は、1)バックグラウンドで検査されているアンチウイルスソフトを可視化し、実際にウイルス等に感染した場合に手で触ることのできる装置の開発に利用できる。2)モデルによって構成された凹凸の加工は正規化できるので、個人差による変化の差異を判定できれば、個人差識別のセキュリティへと応用できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属先の変更により、実験環境の再構築等が必要となり、実験等について遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度において、1)サイバーセキュリティ訓練システムの構築 2)機械学習によるスパムメールの判定法とその推定精度 について実施した。2年目に、力覚を使ったシステムでの、表面粗さの認識システムについて動作確認シミュレーション についての試作および実験を行った。本年度は、1)触覚刺激として与えられる周波数の変化による被験者の感じ方の違いについて実験を進める。2)個人での感覚量の違いの識別判定を試みる。3)シミュレーションと力覚判定を使った実験及びデータ整理を行い、サイバーセキュリティに対応できるシステムへの検討をしたい。
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Causes of Carryover |
転勤に伴い研究施設の変更等があり使用に変更が生じた。実験環境の変化で実験等が滞った。依然コロナ感染症関係で、学会発表等での出張が激減した。これらにより、当該助成金が生じた。 今後、実験と試作を行い、得られたデータ等を吟味し整理する。さらにシミュレーション実験等を通して研究を継続する。コロナ感染症が5類に変更されたことにより対面式の学会が復活している。これらを積極的に利用して成果について学会等で発表していく。
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