2021 Fiscal Year Research-status Report
対話型3次元キャラクタのための実時間表情合成モデルの研究
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21K12193
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
向井 智彦 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (10432296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / アニメーション / リギング |
Outline of Annual Research Achievements |
対話型3次元キャラクタのための実時間表情合成モデルの研究にあたって、2021年度は当初計画で掲げた2つのタスクに並行して取り組んだ。 まず、スキン変形の多重解像度モデルの研究の一環として、2段階スキニング計算モデルの改良技術を開発した。具体的には、既存の計算手法に対して非負制約・総和制約・スパース制約の3つの制約条件を厳密に満たすための拡張を施すことで、普及しているグラフィックスハードウェア上での標準的な計算パイプラインとの親和性が高い技術を開発した。この研究成果は、コンピュータグラフィックス分野における代表的な国内シンポジウムであるVisual Computing 2021にフルペーパー採択された。次に、多重解像度表現された顔形状レイヤ間の連動関係を記述するための数理モデルとして、Lie代数とガウス過程モデルを応用した高精度な例示ベース補間法を開発した。その成果は国際オープンアクセスジャーナルへの採録が決定した。そして、ユーザーの表情変化に応じた対話表情生成を実現するために、人間同士の対話中の行動状態を反映した表情生成メカニズムを開発した。この研究成果については情報処理学会全国大会で経過報告するとともに、国際学会・雑誌への投稿準備を進めている。 以上の研究成果については、共同研究先の企業においての実地検証も並行して進めており、実用化のためのアルゴリズムの改善や各種計算フローの改善、ツールとしてのインターフェースの整備なども行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画に掲げていたタスクを並行して順調に進めており、学会等での研究成果報告も行っている。研究遂行の過程で表面化した技術的課題も当初想定の範囲内であり、すでに対策を施しているか今後の研究遂行においても問題ないことを確認している。なお、実開発現場での検証を通じて多くの課題点も明らかになっているが、そのうちいくつかは新たな研究シーズに展開するものと捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当年度に行った各種事前実験や連携先との議論を踏まえ、研究計画に大きな変更は必要ないことを確認している。したがって、当初計画にしたがって各要素技術の深化を図ると共に、それらを組み合わせた統合システムの開発にも着手する。
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Causes of Carryover |
ワークステーション購入により生じた端数の残額は次年度の消耗品購入等にあてる。
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Research Products
(3 results)