2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on Automatic Music Generation Capable of Harmonization in Grade of Music School Admissions
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21K12202
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
深山 覚 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90712191)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 音楽自動生成 / 機械学習 / 音楽情報処理 / 和声法 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクト1年目においては、音楽自動生成の作曲技能を人間に例えて評価し生成楽曲の品質向上を行う課題を和声法のルールの機械学習と音楽性の機械学習へと分割して取り組む中で、主に和声法のルールに従った生成結果を得ることに注力して研究を行った。はじめに音楽大学作曲科の入学試験で用いられる四声体和声のデータベースを用いて深層学習モデルの機械学習を行った上で、和声課題の自動実施を行い、専門家による生成楽曲の評価を実施した。音楽大学大学院の作曲専攻修士課程学生1人・博士課程学生1人および作曲専攻を教授に評価を依頼し、入試問題の答案採点を模した楽曲の採点を行い、現状の機械学習による自動生成手法が得意・不得意とする和声法のルールの洗い出しを行った。その結果、局所的には正しく和音が生成されているものの、楽曲の調および転調を考慮して生成することが難しいことや、非和声音の適切な生成が困難なことがわかった。これに基づいて、主に調と非和声音についてのアノテーションを含めるデータベースの設計を定めることができた。また和声法のルールを満たすための制約を導入した音楽自動生成手法を実装し評価した。具体的には、再帰的ニューラルネットワークと準ギブスサンプリングに基づく手法のサンプリングの却下条件に和声法のルールを実装し、サンプリングにおける却下率を調べることで、どの程度和声法のルールに従った結果が得られるかを定量的に検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
和声法のルールを機械学習に取り入れるための音楽専門家と協力した評価と、音楽性の機械学習を行うための深層学習モデルの開発を同時並行に進めた。どのような和声学の規則に重点的に取り組めば良いかを明らかにすることができ、続く年度の研究の足掛かりを構築することができたため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
和声法のルールのうち特に調と非和声音に関するルールを機械学習できるデータベースを用いて、和声法のルールに従った音楽自動生成手法の高度化を行う他、音楽性を持った生成結果を得ることに注力して研究を行う。
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Causes of Carryover |
今年度は国内・国外への出張が取り止めとなったこと、データベース作成が専門家の意見を踏まえた仕様の見直しによって先送りになったこと、さらに手元の計算機での機械学習手法を試行錯誤をする状況が長く大規模計算機を用いて機械学習を行う回数が少なかったことから、旅費・人件費および計算機使用料の計上が予定より少額となった。来年度以降想定される国内外への出張、データベース作成、大規模計算および楽曲生成結果のより規模の大きい楽曲数の評価に際しての専門家への謝金に使用する。
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