2021 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of magnetic particles emitted from various source and process
Project/Area Number |
21K12218
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
米持 真一 埼玉県環境科学国際センター, 研究推進室, 副室長 (90415373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道路沿道 / 磁性粒子 / 無機元素 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性粒子は健康への悪影響が指摘されているものの、粒径や発生源などは十分に解明されてはいない。令和3年度は、自動車走行に伴い放出される磁性粒子を対象として研究を行った。県内で交通量の多い国道17号線戸田美女木、16号線指扇を選定し、ナノサンプラーを用いて流速40L/minで大気粒子を10μm以上(PM≧10)、10-2.5μm(PM10-2.5)、2.5-1μm(PM2.5-1)、1-0.5μm(PM1-0.5)、0.5μm以下(PM0.5)に分けて採取した。採取は4回行い、得られた粒子試料の多い戸田美女木の2試料を分析対象とし、PM≧10を除く4粒径の試料についてネオジム磁石を用いた磁気分離を行った。 粒子試料中の磁性フラクション比(大気中磁性フラクション濃度/粒子濃度)は、0.009-0.10であり、試料によって差が見られ、PM0.5が最も小さかった。これはこの粒径では燃焼によって生成する炭素系粒子が中心であることが要因と考えられる。 次に磁性フラクションの無機元素分析を行った。濃度レベルの高い軽元素を除くと、比率の高い元素はFe、Zn、Crの順であった。特にFeはPM10-2.5>PM2.5-1≒PM0.5>PM1-0.5でああり、PM1-0.5が最も小さかった。PM10-2.5とPM2.5-1は主に道路粉じんや土壌等に由来する成分が起源と考えられる一方で、PM0.5は主に燃焼起源の粒子であり、異なる発生源から磁性粒子が大気粒子として放出されている可能性が示唆された。 テスラメーターを用いた磁化率測定では検出下限値以下であったことから、試料振動型磁力計(VSM)を用いた測定を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
道路沿道の試料採取で十分な試料が得られず、試行錯誤の結果、長期期間の採取が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は廃棄物焼却と鉄道を対象とする予定である。廃棄物焼却の試料を得るのは容易ではないため、過去に別の事業で粒径別に採取した試料を活用する。また、鉄道については、さいたま市と協力して地点の選定をしている。 試料振動型磁力計については、連携企業の所有する機器を基本として行うが、更に強力な磁場を用いる必要が生じた場合には、外部の機関の装置の利用も検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス拡散により、現地参加を予定していた国内外の学会が開催されなくなったため。
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