2022 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of magnetic particles emitted from various source and process
Project/Area Number |
21K12218
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
米持 真一 埼玉県環境科学国際センター, 研究推進室, 副室長 (90415373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 道路沿道 / 鉄道沿線 / 磁性粒子 / 無機元素 |
Outline of Annual Research Achievements |
①前年度に粒径別採取した道路沿道の粉じんについて発生源を検討した。PM(10-2.5)の粒径の磁性フラクションは鉄(Fe)が最も多く含まれ、EDS分析から酸化物であることが分かった。また、Ti、Cu、Baなども含まれていた。組成比などから主成分は天然の磁鉄鉱(マグネタイト)であり、道路に堆積した周辺土壌の巻き上げによるものと考えられた。一方で、PM2.5のうち粒径1um(マイクロはuを代用)以下の粒子(PM1)には土壌の飛散など自然起源の粒子は、ほとんど含まれないと考えられる(文献1)。PM(1-0.5)の磁性フラクションに含まれる無機元素は、亜鉛(Zn)であり、Fe以外にコバルト(Co)やニッケル(Ni)も含まれていた。電子顕微鏡観察でこれらが球形に近い形状をしていることなどから、ブレーキローターやバッドの高温摩耗や、高温となるエンジンルーム内の防錆用表面処理として用いられる亜鉛系材料に由来すると考えられた。更に、PM0.5の磁性フラクションは再びFeは主成分であったが、この起源については不明である。振動試料型磁力計(VSM)を用いた磁気特性の計測は、試料の磁化が弱く、十分な測定結果を得ることができなかった。 以上から、自動車走行により排出される磁性粒子は、粒径2.5-0.5umのZnを中心とする成分が特徴と考えられた。また、粒径10-2.5umは自動車走行により大気中に巻き上げられた磁鉄鉱と考えられらた。
②鉄道沿線での試料採取については、JR高崎線の線路直近の民家にナノサンプラーを設置して、令和4年12月から令和5年1月に3回行った。粒径範囲は道路沿道と同じである。各試料は1-6mgであり、磁気分離を行った結果、磁性フラクションの比率はPM0.5で1.4-2.8%、PM(1-0.5)で0.9-1.5%、PM(2.5-1)で0.7-1.2%、PM(10-2.5)で1.1-3.9%であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鉄道沿線の試料採取地点の選定と調整に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
廃棄物焼却については、過去に採取した試料を活用する。また新型コロナウイルスの制限が5月に解除となり、中国国内の試料を得られる可能性が出てきた。更に、今夏は昨年に試行した富士山頂の試料採取を試み自由対流圏の磁性フラクションについても検討に含める予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた国際学会への参加が新型コロナウイルスの影響でオンライン参加となったため
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