2023 Fiscal Year Research-status Report
Characterization of magnetic particles emitted from various source and process
Project/Area Number |
21K12218
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Research Institution | Center for Environmental Science in Saitama |
Principal Investigator |
米持 真一 埼玉県環境科学国際センター, 研究推進室, 副室長 (90415373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 磁性粒子 / 磁性フラクション / 鉄道 / レール / ブレーキ / 富士山 / 長距離輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
①前年度に鉄道沿線で採取した試料中の磁気フラクションの分離と構成成分の分析を行った。粒径別の大気粉じん濃度はPM(10-2.5)が最も高く、試料中の磁性フラクションの比率もこの粒径が最も高かった。磁性フラクションの比率は0.039でああった。 全ての粒径範囲で磁性フラクション中最も比率の高い元素はFeであり、無機元素の65~40%を占めていた。次に多い元素はAlであり39~16%であった。この2元素を除いた元素の構成比では、PM(10-2.5)の粒径ではZn、Cu、Baであったのに対し、PM(1-0.5)ではZn、Mo、Mnであった。鉄道用レールには耐摩耗性、耐腐食性の向上を目的にリン(P)、硫黄(S)、Mnが添加され、鉄道用ブレーキの制輪子には同様の理由から鋼鉄にP、Mn、Moが添加されている。PM(10-2.5)中のFeは機械的な摩擦によってレールや車輪等から剥離した可能性がある。一方でPM(1-0.5)はMo、Mnが特徴的に含まれ、ブレーキ作動時に高温状態で摩擦により大気中への放出が示唆された。これらは鉄道走行に由来する磁性粒子の指標元素となると考えられた。
②大陸から長距離輸送された磁性フラクションを調べるため、富士山頂でPM1の採取を行い、磁性フラクションの分離を試みた。極めて低濃度の試料を対象に磁気分離を行い、磁性フラクションの無機元素を分析した結果、Fe、Zn、Crが主成分であった。磁気分離の妥当性を確認するため、非磁性フラクションも確認したところ、Alが主成分であり、時性フラクションの分離は良好であったことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動車、鉄道に関しては順調に進んでおり、指標となる元素も見えてきた。一方で、中国都市部の大気粉じん試料採取と試料分析が長引くコロナ禍により遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
中国都市部の試料採取については、昨年度後半から往来を再開したことから、今年度はこれらにも着手できる見込みである。 また、自動車走行と鉄道走行により発生する磁性粒子の特徴の一般化を進めるため異なる地点での試料採取を行い分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
延長申請をしたため
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