2021 Fiscal Year Research-status Report
親潮域をフィールドとした珪藻のブルーム形成機構の解明ー分子生理生態学的アプローチ
Project/Area Number |
21K12231
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
桑田 晃 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主幹研究員 (40371794)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 珪藻 / ゲノミクス / 親潮域 / ブルーム / 分子生理生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
海洋で最も重要な基礎生産者である珪藻は、栄養塩が豊富に供給される沿岸域・湧昇域で盛んに増殖し大規模なブルームを形成し、全球全体 での炭素固定量は熱帯雨林に匹敵する。しかしながら、珪藻のブルーム形成機構については未だ多くの点で不明である。親潮域では、春季に高密度で広域の大規模珪藻ブルームが沿岸種と外洋種により形成されている。本研究は、親潮域をフィールドに、春季ブルームを形成する代表的 な沿岸性と外洋性の珪藻の動態に着目し、室内培養実験と現場実験にゲノミクスを導入した新しいアプローチにより、珪藻ブルームの形成機構の分子生理生態学的解明を目的とし、1)珪藻代表種のゲノム解読、2)室内培養実験による遺伝子発現解析、3)現場での春季ブルーム形成過程における遺伝子発現解析により進めている。 今年度は、沿岸性の珪藻としてThalassiosira nordenskioeldii、Chaetoceros debilis、外洋性の珪藻としてNeodenticula seminaeに着目し、親潮域より単離培養し、得られた試料からゲノムDNA・mRNAを抽出し、次世代 シーケンサーにより配列データを取得した。得られた配列データの解析によりゲノム解読を進めた。さらに5月親潮域の調査航海において珪藻ブルームが見られた測点において遺伝子発現解析用の試料を採集し、一部の試料に対し、mRNAを抽出し、次世代 シーケンサーにより配列データを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、親潮域をフィールドに、春季ブルームを形成する代表的 な沿岸性と外洋性の珪藻の動態に着目し、室内培養実験と現場実験にゲノミクスを導入した新しいアプローチにより、珪藻ブルームの形成 機構の分子生理生態学的解明を目的とし、1)珪藻代表種のゲノム解読、2)室内培養実験による遺伝子発現解析、3)現場での春季ブルーム形成過程における遺伝子発現解析により研究を進めている。どの項目においても当初の 計画通り順調に成果が得られていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、親潮域をフィールドに、春季ブルームを形成する代表的 な沿岸性と外洋性の珪藻の動態に着目し、室内培養実験と現場実験にゲノミクスを導入した新しいアプローチにより、珪藻ブルームの形成 機構の分子生理生態学的解明を目的とし、1)珪藻代表種のゲノム解読、2)室内培養実験による遺伝子発現解析、3)現場での春季ブルーム形成過程における遺伝子発現解析により研究を進めている。 1)珪藻代表種のゲノム解読については、昨年に引き続き、沿岸性・外洋性の珪藻代表種のゲノム解読を進める。 2)室内培養実験による遺伝子発現解析については、沿岸性・外洋性の珪藻代表種の培養実験を開始する。 3)現場での春季ブルーム形成過程における遺伝子発現解析については、引き続き、春季の親潮域の調査航海において、遺伝子発現解析用の試料を採集し、昨年度の試料とともに、mRNAを抽出し、次世代 シーケンサーにより配列データを取得し、解析を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は、新規の珪藻培養株の単離・確立および現場試料の採集に集中し、次年度は、集中的に培養株、現場での試料より、DNA・RNAを抽出し、次世代シーケンサーによるシーケンシングを行う予定である。
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