2022 Fiscal Year Research-status Report
New development of dynamics and characterization dissolved organic nitrogen in freshwater environments by molecular weight fractionation using nanofiltration
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21K12232
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| Research Institution | Lake Biwa Environmental Research Institute |
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Principal Investigator |
早川 和秀 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 部門長 (80291178)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 保彦 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 主任研究員 (50726221)
布施 泰朗 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (90303932)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 溶存態有機窒素 / 分子量分画 / ナノ膜 / 窒素枯渇 / 湖沼 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
DONの定量法として、ナノ濾過膜による限外ろ過法を用いた方法の開発を進めてきた。前年度に判明したナノ濾過膜が急速に劣化する現象に対して検討を重ねた結果、膜ではなくポンプの脈動および流路に問題がみつかった。そのため、脈動をおさえるダンパーを装着したろ過システムへと改善した。また、使用するナノ濾過膜およびろ過プロトコルも見直し、0.6k Daのナノ濾過膜を用いた新たなプロトコルを開発した。これにより、ろ過時間や精度が大幅に改善されて、ルーチンの分析が可能となった。
改善されたろ過システムを用いて、琵琶湖水を30kDa, 0.6kDaで分画し、高分子量、中分子量、低分子量とする測定を行った。各画分の溶存態有機窒素（DON）は溶存態全窒素量に対して、高分子量で10%、中分子量で43％（n = 5）を占めた。琵琶湖水では、硝酸態窒素が夏季に枯渇する現象があり、全窒素に占めるDONの割合が増えていると考えられた。低分子量の解析を残しているため、全体像の考察にはまだ至っていない。
湖水のDON化学組成について調べるため、大量の湖水（約40L）をナノ濾過膜で回収濃縮した試料のCE-TOFMS分析を行った。その結果、各種アミノ酸のほかヌクレオシド、アミン類などが検出された。その特性を評価するには、試料の回収率がまだ十分でなく、検出数も充分でない。そのため、回収率を上げる前処理の検討を行う必要がある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に進捗が遅れていたDONの定量法と分子量別分画法の開発は、2022年度の方法改善によっておおむね確立できた。いくつかの琵琶湖水試料について測定を実施しており、今後にデータ数を増やすことができる。マイクロコスム生分解実験による分子量別DONの分解速度推定は、分子量分画法の開発を待っていたため、今後、実験を行い、生分解によるDONの変動を解析する。
分子量別のDON化学組成の包括的解析について、先行して、CE-TOFMSの分析を行ったが、反応熱分解ガスクロマトグラフ質量分析、高速液体クロマトグラフ蛍光検出分析についても、分析条件の調整は終了しており、逐次データを測定する予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
琵琶湖水や琵琶周辺の内湖試料について分子量別DON分画の測定を実施する。そのDONの各画分の濃度変動や季節性変動から、湖水中のDONの生成と分解にかかる特性を把握する。
また、同湖水にて生分解実験を行い、生分解前後よるDONの変動も解析して、先の季節性の解析とあわせたDONの動態を考察する。
中規模限外ろ過システムにより湖水を濃縮して、分子量別のDON化学組成の包括的解析について、反応熱分解ガスクロマトグラフ質量分析等の試験を行う。以上により、水圏DONの分子量分布と生分解性の関係について、成分を含めた動態解析を実施する。
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| Causes of Carryover |
コロナ感染症の継続を背景とする物品不足により、注文から納期まで半年以上かかる物品があり、2022年度は既存の分子量分画システム1組のみで運用した。物品の納品が済み次第、システムを増設して、測定数の増加を図る予定である。生分解実験も次年度へ計画をずらしたため、それらの消耗品の使用も次年度使用となる予定であるが、進捗には支障ない。
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