2023 Fiscal Year Research-status Report
A trial to regulate microglial activation in medaka embryo as a model to avoid cytokine storm
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21K12237
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
保田 隆子 日本女子大学, 理学部, 研究員 (40450431)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ミクログリア / 放射線 / 脳内免疫細胞 / サイトカイン / 脳内炎症 / ApoE遺伝子 / Lplastin遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脳腫瘍放射線治療の副作用を軽減・回避する新規な治療法を提案するためのモデル生物として、脳のサイズが哺乳類と比較して大変小さく脳全体を俯瞰的に観察することが可能なメダカ胚を利用して検証を行った。脊椎動物に共通する基本的かつ普遍的なメカニズムを研究する上で、メダカはゼブラフィッシュと並ぶ有効な小型魚類モデルである。これまでの研究から、活性化したミクログリアが神経保護的に働くM2型から神経傷害性に働くM1型へ極性スイッチするタイムポイントは放射線照射 40 時間前後であろうと考えられ、本研究において活性化した神経保護的なM2型ミクログリアの役割を抑制することなく過剰かつ持続的な神経傷害性に働くM1型ミクログリアの活性化を制御可能な薬剤のスクリーニングを目指した。昨年度、活性化ミクログリアの減少は最大溶解濃度に相当するミノサイクリン濃度100uMでは薬効が全く認められなかったが、ミノサイクリン50uMではミクログリアの数には変化がなかったものの活性化ミクログリアの脳内に占める面積が非投与群と比較して有意に減少することが確認された。ミクログリアの定量化にはImageJを用いているが、精度に限界があるため新しい定量化の手法を開発中である。さらにミクログリアの活性化が脳内慢性炎症の要因であるかを検討するため、サイトカインIL1bをリアルタイムPCR法により定量化して検証した。その結果、Lplastin遺伝子の発現が上昇する照射24時間後にはIL1bの増加を確認したものの、ApoE遺伝子の発現が上昇する照射42時間後におけるIL1bの上昇は認められなかった。現在別のサイトカイン因子であるTNFaの定量解析をリアルタイムPCR法により行い、IL1bとの整合性を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では脳腫瘍放射線治療の副作用を軽減・回避する新規な治療法を提案するためのモデル生物として、脳のサイズが哺乳類と比較して大変小さく脳全体を俯瞰的に観察することが可能なメダカ胚を利用して検証を行った。脊椎動物に共通する基本的かつ普遍的なメカニズムを研究する上で、メダカはゼブラフィッシュと並ぶ有効な小型魚類モデルである。これまでの研究から、活性化したミクログリアが神経保護的に働くM2型から神経傷害性に働くM1型へ極性スイッチするタイムポイントは放射線照射 40 時間前後であろうと考えられ、本研究において活性化した神経保護的なM2型ミクログリアの役割を抑制することなく過剰かつ持続的な神経傷害性に働くM1型ミクログリアの活性化を制御可能な薬剤のスクリーニングを目指した。昨年度、活性化ミクログリアの減少は最大溶解濃度に相当するミノサイクリン濃度100uMでは薬効が全く認められなかったが、ミノサイクリン50uMではミクログリアの数には変化がなかったものの活性化ミクログリアの脳内に占める面積が非投与群と比較して有意に減少することが確認された。これら活性化したミクログリアの定量的な評価の精度を上げるため、in situハイブリダイゼーションにより確認されたミクログリアの画像をより正確に定量化する手法を民間会社との共同研究により現在構築中である。また脳内の炎症反応の指標となるサイトカインIL1bをリアルタイムPCR法により定量化してミクログリアの発現と照らし合わせたところ、Lplastin遺伝子の発現が上昇する照射24時間後にはIL1bの増加を確認したものの、ApoE遺伝子の発現が上昇する照射42時間後におけるIL1bの上昇を確認するには至らなかった。現在別のサイトカインTNFbの定量解析をリアルタイムPCR法により行い、IL1bとの整合性を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
脳内の炎症反応の指標となるサイトカインIL1bの発現量をリアルタイムPCR法により定量化してミクログリアの発現と照らし合わせたところ、Lplastin遺伝子の発現が上昇する照射24時間後にはIL1bの増加を確認したものの、ApoE遺伝子の発現が上昇する照射42時間後におけるIL1bの上昇を確認するには至らなかった。ApoE遺伝子の発現が上昇する照射42時間後のミクログリアのWISHにより確認された形態は、膨潤して肥大した様相を示し明らかに活性化した状態であると考えられたものの、炎症反応は既に収束したフェーズである可能性が考えられた。もしそうであるならば、脳内炎症はApoE遺伝子の発現ではなく、Lplastin遺伝子の発現量で評価するべきである。これまで脳内炎症反応を抑制する薬剤の効果をApoE遺伝子の発現で評価してきたが、今後Lplastin遺伝子の発現で再評価をしたい。脳内炎症を示す別のサイトカイン因子であるTNFaの定量解析をリアルタイムPCR法により行い、IL1bとの整合性を確認したい。
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Causes of Carryover |
マウスにおいて活性化したミクログリアの抑制に効果を示す薬剤を使用して検討をおこなってきたが、メダカでも同様な効果が認められる薬剤が極めて少なく、薬剤のスクリーニングに予想以上の時間を要したことが主な要因である。またin situ ハイブリダイゼーション法により確認された活性化したミクログリアのImageJを用いた定量化では、バックグラウンドレベルの切り分けが困難なためその精度に問題を生じた。そのため、より精度の高いミクログリアの定量化手法を開発する必要性が生じ、その構築に時間を要することが挙げられる。
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Research Products
(1 results)