2023 Fiscal Year Research-status Report
放射線誘発甲状腺癌の発症リスクを高める遺伝的素因はあるのか?
Project/Area Number |
21K12240
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
サエンコ ウラジミール 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (30343346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
光武 範吏 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50404215)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 甲状腺癌 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らはこれまで、チェルノブイリ原発事故後の放射線誘発小児甲状腺癌における遺伝子多型をゲノムワイドに解析し、コントロール(被ばくしたが癌を発症していない集団)や散発性成人甲状腺癌のデータと比較検討する研究を行ってきた。その結果、放射線誘発小児癌と散発性成人癌とでは癌発症に関連する多型に違いがあることが明らかになった。しかし、現時点ではこの違いが放射線によるものか年齢によるものかは不明である。そこで本研究では、遺伝的バックグラウンドが同じであるベラルーシ、ウクライナ、ロシア等のチェルノブイリ周辺国において、非被ばく小児甲状腺癌症例を収集し、遺伝子多型解析を行うことである。 2023年度もロシアによるウクライナ侵攻は継続したままであり、勧告により一度も渡航は叶わなかった。引き続き、ベラルーシの共同研究者らとは連絡を取り合い、2023年度は少数の試料の輸送に成功した。これらについては、既知の対象とする一塩基多型のジェノタイピングを行なった。少数ではあるが、統計学的な検出力を向上させるのに役立った。現時点では、chr14のrs944289のみ、散発性小児と放射線関連小児との間で単変量解析で違いが見られている。本研究では、大幅な予定変更となっている中、今後の継続した研究のためにも、全ゲノムデータの取得を行なった方が良いと考え、少数ではあるが、全ゲノムシークエンシングを追加した。これまで解析対象としていた既知の一塩基多型以外にも解析対象を拡大し、データ解析を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度も渡航することはできなかった。その中で、少数の試料輸送は出来たものの、今後も大幅な数のサンプル追加は難しいと予想している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も試料の追加収集を目指すが、難しい可能性が高い。現状保有しているデータの解析を工夫して行う。
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Causes of Carryover |
渡航することができず、そのための費用を全ゲノムデータの取得に当てた。追加や検証のためにさらに解析が必要となり、そのために使う予定とした。
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[Presentation] Primary tumors and recurrent radioiodine-resistant metastases of PTC have highly concordant immune checkpoint status2023
Author(s)
V.Saenko, Т.Rogounovitch, L.Zurnadzhy, M.Ito, M.Bolgov, S.Chernyshov, S.Gulevatyi, S.Masiuk, M.Tronko, S.Yamashita, N.Mitsutake, T.Bogdanova
Organizer
第66回日本甲状腺学会学術集会
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