2021 Fiscal Year Research-status Report
ヒト樹状細胞前駆細胞株とT細胞クローンを用いた新規アレルギー感作性評価法の開発
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21K12256
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
溝口 出 東京医科大学, 医学部, 講師 (00569527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アレルギー感作性 / 動物実験代替法 / in vitro細胞共培養系 / 単球細胞株 / Th2細胞株 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、まず、2018年-2020年度科研費補助金基盤研究(C)(研究代表者:溝口出、課題名:化学物質の呼吸器アレルギー感作性を評価する新しい動物実験代替法の開発)で作製したヒト末梢血CD14+単球株CD14-MLについて、ドナーの異なる株を作製した。GM-CSFとIL-4で3日間培養し未成熟DCに分化誘導し、その後、LPSや OK-432などで刺激すると、どの細胞株もプライマリーの単球とほぼ同様に、DC の成熟化マーカーである共刺激分子CD86やCD80、MHCクラスIIの発現増強が見られ、DCが成熟化されることがわかった。次に、上記の研究で用いた代表的な皮膚と呼吸器感作性化学物質Oxazolone(OXA)とOrtho-Phthaldialdehyde(OPA)の他に、2,4-Dinitrochlorobenzene (DNCB)とTrimellitic anhydride (TMA)、Formaldehyde (FA)とHexamethylene diisocyanate (HDI)を、3次元DC共培養系に用いて、Th2分化誘導に重要なOX40リガンド(L)の他に、同じくTh2分化誘導に関与するサイトカインTSLPの受容体(R)であるTSLPRとIL-7Ra、IL-25の受容体であるIL-17RB、IL-33の受容体であるST2のmRNA発現誘導を比較検討すると、3つの呼吸器感作性化学物質で共通してOX40L発現を皮膚感作性化学物質に比べより強く発現増強し、さらに、OPA刺激ではST2も、TMAとHDI刺激ではTSLPRとIL-7Raの発現もより強く増強した。以上の様に、単球株CD14-ML由来の未成熟DCを用いた3次元DC共培養系でも、皮膚と呼吸器の感作性を識別できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単球株CD14-ML由来の未成熟DCを用いた3次元DC共培養系でも、皮膚と呼吸器の感作性を識別できる可能性が示唆されたため、ほぼ計画の予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度 ヒト単球株CD14-MLとプライマリーT細胞を用いた3次元DC/T共培養:ヒト単球株CD14-MLを用いた3次元DC共培養系で刺激したDC層にアロ反応性ナイーブCD4+T細胞を反応させ、5日後リアルタイムRT-PCRにより、T細胞の活性化マーカーCD69やIL-2、Th1分化マーカーIFN-g、Th2分化マーカーIL-4などのmRNA発現を調べる。代表的な呼吸器および皮膚感作性化学物質としてOrtho-phthaldialdehyde(OPA)とOxazolon(OXA)、Hexamethylene diisocyanate (HDI)とFormaldehyde (FA)、Trimellitic anhydride (TMA)と2,4-Dinitrochlorobenzene (DNCB)を用いて検討する。 2023年度 ヒト単球株CD14-MLとT細胞株を用いた3次元DC/T共培養系の検討 ① T細胞株の作製:上記の複数の単球株CD14-ML由来DCをOK-432刺激で成熟化し、ヒトアロ反応性CD4+T細胞をTh1およびTh2分化条件で頻回刺激し、アロ抗原特異的Th1/Th2細胞株を作製し、限界希釈法によりTh細胞株を得、そのサイトカイン産生量をELISAにより調べ、個々のT細胞株の性質を明らかにする。さらに、クローニングも行う。② 単球株CD14-ML由来未成熟DCとT細胞株を用いた3次元DC/T共培養系:上述の単球株CD14-ML由来未成熟DCとT細胞株を用いて、3次元DC/T共培養系に応用し、代表的な呼吸器および皮膚感作性化学物質としてOPAとOXAで刺激し、CD69やIL-2、IFN-g、IL-4の発現増強をリアルタイムRT-PCRにより調べ、OXA刺激で選択的にIL-4発現増強が見られる条件検討を詳細に行う。次に、複数の感作性化学物質を用いて検討する。
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Causes of Carryover |
端数をピッタリ合わすことができなかったため。残金は、2022年度の消耗品代に加える。
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[Journal Article] A chaperone-like role for EBI3 in collaboration with calnexin under inflammatory conditions.2021
Author(s)
Watanabe A, Mizoguchi I, Hasegawa H, Katahira Y, Inoue S, Sakamoto E, Furusaka Y, Sekine A, Miyakawa S, Murakami F, Xu M, Yoneto T, Yoshimoto T.
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Journal Title
Front Immunol.
Volume: 12
Pages: 757669
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Interleukin-1β in peripheral monocytes is associated with seizure frequency in pediatric drug-resistant epilepsy.2021
Author(s)
Yamanaka G, Takamatsu T, Morichi S, Yamazaki T, Mizoguchi I, Ohno K, Watanabe Y, Ishida Y, Oana S, Suzuki S, Kashiwagi Y, Takata F, Sakuma H, Yoshimoto T, Kato M, Kawashima H.
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Journal Title
J Neuroimmunol.
Volume: 352
Pages: 577475
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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