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2023 Fiscal Year Research-status Report

Influence of EV shift on photochemical pollution and urban climate

Research Project

Project/Area Number 21K12268
Research InstitutionOsaka Metropolitan University

Principal Investigator

安田 龍介  大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (50244661)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords次世代自動車 / 光化学汚染 / 都市気象 / 数値シミュレーション / 人体熱収支 / ミスト噴霧冷却
Outline of Annual Research Achievements

大気汚染解析については,シナリオ作成の部分で停滞しているが数値シミュレーションに関する環境整備は概ね終えている.都市気象に関連した研究の一環として,夏季の暑熱環境が人体に及ぼす影響について前年度に引き続き検討を行った.熱中症による救急搬送者の統計より,春季の高い気温は夏季における同じ気温に比べ人体に対するダメージが大きいことが推測されたため,いわゆる暑熱順化が人体の熱収支に及ぼす影響を調べており,前年度に続き人工気候室を使用した被験者実験を行った.前年度は座位安静の被験者に対して周囲の環境温度を上昇させ,皮膚温度・深部温度・発汗量等の人体生理量の変化を測定したが,本年度は気温と湿度を一定に制御し,被験者の運動負荷により生じる生理量の変化について,時季を変えて数度計測した.また季節順化を生じさせる主要因との仮定のもと,日常生活を送る被験者の身体周囲の気温の常時モニタリングを行った.その結果,AMeDASなど通常の気象観測で得られる気温と個人が暴露される周囲気温との間には乖離があること,ある閾値温度を設定し周囲温度との温度差を積算することにより,暑熱順化の形成・解消過程を捉えうる可能性があることが示された.また,暑熱順化による放熱機構の働きの増進は,平均皮膚温度の変化よりむしろ有効発汗量の増加が要因となっていることが示唆された.この他,局所的な暑熱緩和対策として用いられるミスト噴霧による冷却システムの有効性を評価するためのシミュレーションを試みた.屋外で実施された実験事例を対象に,いわゆるドライミストに区分される微小液滴の移流・拡散・蒸発過程を既往の数値モデルで再現し,気温分布および液滴フラックスの量を比較した.モデルの出力結果にはたびたび異常値が生じたため,一部を改変して計算を安定化させたが,計算方法の見直しを含めて改良の余地があると考えている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

2023年に本研究課題とほぼ同じテーマでなされた研究論文1)が発表された.すなわち,我が国におけるEVシフトが夏季のオゾン濃度に及ぼす影響について数値モデルによる予測を行ったものである.なお,当該論文の著者グループは本課題の申請者との間に研究上の関係はない.対象域が関東であり,光化学汚染の数値シミュレーションで使用している気象モデルと化学輸送モデルこそ本課題とは異なるが,方法論としては同じであり,数値モデルシミュレーションに関しては我々が過去に発表した論文も引用されている.当該論文では,本課題で予定していたバッテリー充電のパターン・EV化の対象車種・発電所排出量への読み替えなどの設定について妥当な設定がなされており,本課題でも同様な設定を行うこととなる.さらに,排出量の変化がオゾン濃度に及ぼす影響についても本課題と同じく光化学レジームを交えた考察が行われており,その意味では本課題の研究目的の相当部分は達成されているといえる.ただし,当該論文では人為排熱の変化など都市気候に関する解析は行われていないので,当該論文と視点が異なる部分の解析を行うことで研究全体の充実度が向上するものと考えている.
1) Kayaba,S., Kajino, M.; Potential impact of battery electric vehicle penetration and changes in upstream process emissions assuming night-charging on summer O3 concentrations in Japan, Journal of Geophysical Research; Atmospheres, 128, 22022JD-37578,https://doi.org/10.1029/2022JD037578.

Strategy for Future Research Activity

EVシフトの影響評価については,電源構成の将来シナリオに基づき排出量と排熱量の推計を行う.再生可能エネルギーや小規模分散型発電の導入については,感度解析的に複数のケースを設定し,都市気象場と光化学汚染の予測シミュレーションを行う.対象地域は京阪神とする.結果の評価にあたっては,前述した Kayaba et al.(2023)で用いられている光化学レジームの判定指標および大気汚染の評価指標を参照し,結果の比較が可能なように配慮する.都市における暑熱環境の評価については,都市生活者の人体熱負荷の評価に人体熱モデルを利用することを意図して,被験者実験・人体熱モデルの適用性検証を継続する.また,局所的な暑熱緩和策の具体例として引き続きミスト冷却システムを対象に屋外実験や数値実験を行い有効性の評価を行う.

Causes of Carryover

身体的に支障が生じ出張が困難な状況になり旅費が一部不要となった.未使用額は資料収集や追加の計算機資源の調達に活用する.

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ミスト噴霧を有する暑熱対策設備のCFD解析2024

    • Author(s)
      本山広海,安田龍介,木下進一,吉田篤正,山口和輝
    • Organizer
      空気調和・衛生工学会第53回近畿支部学術研究発表会
  • [Presentation] 被験者実験による暑熱順化の形成過程の検証2023

    • Author(s)
      上田龍馬,安田龍介,吉田篤正,木下進一,飛田国人
    • Organizer
      日本ヒートアイランド学会第18回全国大会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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