2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K12271
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 徹志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (90182930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 崇宏 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30780431)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PM10 / 上皮サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
大気浮遊粒子状物質(PM10)の上皮サイトカインであるthymic stromal lymphopoietin (TSLP)誘導能を明らかにするとともにTSLP誘導能とPM10中の成分との関係について検討を行った。TSLP誘導能を測定するため、TSLP遺伝子のプロモーター領域をホタルルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子とするプラスミドベクターに組み込むことでレポータープラスミドを作製し、これをラット気管上皮EGV-4T細胞に導入した。本細胞におけるTSLP遺伝子プロモーター活性を12-O-tetradecanonylphorbol 13-acetate (TPA)あるいはエンドトキシンを用いて試験した結果、それらによる処置2時間後からTSLP遺伝子プロモーター活性が上昇し、処置6~8時間で最大となり、TPA 1~10 ng/mL、エンドトキシン 1~10 EU/mLの範囲でプロモーター活性は用量依存的に上昇した。また、TSLP遺伝子プロモーター活性を捕集時期の異なる2種類のPM10を用いて試験した結果、いずれのPM10についても大気8.8~35.0 m3に相当するPM10の水抽出物によりプロモーター活性は用量依存的に上昇し、活性は陰性対照の細胞におけるそれと比較して有意に高かった。また、PM10中のエンドトキシン濃度をLALアッセイにより測定したところ、いずれのPM10からもエンドトキシンが検出され、TSPLプロモーター活性にエンドトキシンが関与することが示唆された。以上の結果から本細胞を用いることにより微量のPM10からの抽出物によるTSLP遺伝子の発現誘導を検出することが可能であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気管支喘息患者において気道の炎症を誘発することが明らかにされているthymic stromal lymphopoietin (TSLP)の大気浮遊粒子状物質による誘導を試験する評価系を作製することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に作製したTSLP遺伝子発現評価系並びにこれまでに作製した炎症性サイトカイン遺伝子発現評価系を用いて大気浮遊粒子状物質の評価を行うとともに粒子状物質の成分分析を行い、それらの関連性について明らかにする。
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Causes of Carryover |
予想されたよりも少ない量の試薬を購入することで研究を実施することができた。
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Research Products
(1 results)