2022 Fiscal Year Research-status Report
気候変動シナリオに基づく気温関連の超過罹患に関する将来予測モデルの開発
Project/Area Number |
21K12274
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野塚 大介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (50446829)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 環境疫学 / 環境保健学 / 気候変動 / 異常気象 / 感染症疫学 / 救急疫学 / 公衆衛生学 / 予防医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全国47都道府県の新型コロナウイルス感染症患者、インフルエンザ患者、感染性胃腸炎患者、救急搬送人員、病院外心肺停止患者等を対象として、気候変動によって将来起こりうる健康影響について、地域や個人の社会経済・環境要因や人口構造の空間的・時間的変化を考慮することで、より現実的な将来予測モデルを開発し、今世紀末までの超過罹患数の推定を全国規模で行うことを目的として実施する。本研究により、気候変動による将来の超過罹患数について、より現実に即した推定を行うことが可能となることから、将来の地域特性や個人特性の変化に応じた疾患発症予測モデルの構築、早期警報システムへの応用、疾病予防管理プログラムの改善、医療機関における医療従事者の確保や設備整備等、今後の気候変動対策の推進に貢献できると考えられる。 研究2年目である令和4年度については、(1)文献レビューによる先行知見の整理、(2)研究デザイン、解析方法、アウトカム等の検討、(3)データの取得、データクリーニング、データセットの突合、データベースの構築、(4)統計解析及び論文化、を実施した。具体的に、文献レビューについては、気候変動による健康影響や将来への影響について、国際誌を中心とした文献レビューを行い、最新の先行知見の追加・整理を行った。また、研究デザイン、研究対象、データ収集、解析方法について検討を行うとともに、新型コロナウイルス感染症患者、インフルエンザ患者、感染性胃腸炎患者、救急搬送人員、病院外心肺停止患者のデータベース構築を進め、統計解析及び論文化を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた文献レビュー、研究デザイン等の検討、データベース構築については、予定どおり作業が進んでおり、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度までに構築したデータベースを用い、気候変動による健康への将来影響について、統計学的手法を用いて定量的に明らかにする。また、解析結果をもとに、本研究で得られた知見について整理し、論文化を進める。 なお、今年度予定していた海外の関係機関への資料収集及び専門家との協議・打合せについては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による出張等の自粛により実施できなかったことから、引き続き検討を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初予定していた海外の関係機関への資料収集及び専門家との協議・打合せについては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による出張等の自粛により実施できなかったため、次年度使用額が生じたもの。次年度使用額については、今後の新型コロナウイルス感染症の流行状況や制度改正を踏まえつつ、海外の関係機関への資料収集及び専門家との協議・打合せを実施するために使用する予定である。
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