2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of broadband noise prediction generated from a low-pressure fan based on machine learning
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21K12294
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 壮一 長崎大学, 工学研究科, 助教 (00304965)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 空力騒音 / 風洞試験 / ファン騒音 |
Outline of Annual Research Achievements |
平板から発生する後縁騒音の正確な計測を目的として、遮音壁と吸音材から構成される無響室を開発した。その無響室を有する風洞試験設備の可能性試験では、遮音壁の透過損失、吸音材の吸音率、および蛇腹ダクトによる音波の位相変化が及ぼす舌部干渉騒音の低減の効果が評価された。厚さ90mmの空気層を有する遮音壁の透過損失は、1000Hzから8000Hzの帯域でその周波数とともに大きくなった。ダクトの曲がりを意図的に増やすことで舌部干渉騒音の音波に位相差が生じ、翼通過周波数とその高調波の舌部干渉騒音を低減させることができた。本実験で採用された吸音材は、2500Hz近傍の騒音を吸音した。これらの効果によって、本研究で開発した風洞試験設備では、高周波の帯域で発生する平板の後縁騒音をファン騒音や暗騒音の影響を受けることなく計測することが可能になった。 さらに、平板の圧力パワースペクトル密度(圧力PSD)を風洞試験で実験的に決定し、その圧力PSDに基づいて低圧ファンから発生する広帯域騒音を予測する方法を提案した。低圧ファンから発生する予測値の広帯域騒音は実測値より12.5dB大きく見積もられるものの、実測値のスペクトル分布を表すことができた。翼先端近傍では、その翼素近傍の後流の相対速度が低下したとしても、その翼素から発生する広帯域騒音は相対速度の速い羽根スパン中腹での騒音よりも大きくなった。この広帯域騒音が上昇する原因について、翼先端での無次元圧力PSDが翼スパン中腹での圧力PSDよりも大きくなるためであることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機械学習のための教師データを抽出するための無響室を通する風洞試験設備を開発した。平板から発生する広帯域騒音のスペクトル分布を、周囲環境の暗騒音や風洞試験設備のファン騒音の影響を受けることなく計測することが可能になった。Schwartzschildの解に基づく放射積分の解析法を確立し、機械学習のための圧力PSDを抽出することが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
風洞試験によって計測された平板の圧力PSDを教師データとして、広帯域騒音を予測するためのニューラルネットワークを開発する。風洞試験によって抽出された圧力PSDの回帰分析に基づいて、平板から発生する広帯域騒音を予測することが可能であることを確認する。低圧ファンの羽根車の翼素となる円弧翼の教師データの計測、放射積分の解析、圧力PSDの抽出を完了させる。
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